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三国川ダム監査廊見学♪

2017年07月05日
ダムマニア
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朝から1日雨予報だったこの日は、昨年同時期にDawn太を連れて訪ねているものの、ダムカードをもらい損ねていた 三国川ダム を再訪しました。
三国川ダムカード Ver.1.2 (2015.08)

 昨年は雨上がりで蒸し暑かった記憶もあり、館内には入れないDawn太を車内待機させるわけにも行かず、外見学のみで帰ったのですが、今年は本降りの雨で気温も下がり、雨に濡れた服を着ていると肌寒いくらいの日でした。

三国川ダムは「地域に開かれたダム」としても有名で、ダムカードをいただいて館内を見学し始めると、こんなポスターを発見!
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平日は日に4回、休日は日に5回の設定があり、その開始時刻10分前までに申し込めば、ダム内の監査廊を見学できるのだそうです。

1回の見学所要時間は40分とか。すでに昼時を過ぎているものの、お昼がまだだったので、先にお昼を済ませてから、改めてダム内探検に参加してみよう!ということになりました。



昼食のためにお邪魔したのは、私のダムカレーの原点でもある、しゃくなげ観光レストラン!
三国川ダム監査廊見学♪
昨年、ここで食べたダムカレーが出発点となり、ダム散策に合わせてダムカレーを食べるようになった次第です。

注文して出て来たのが。。。おぉ、1年経ったら進化している!
三国川ダムカレー(¥880)
三国川ダム監査廊見学♪
昨年の、ダムカレー第一号記事に追記してあります。



昼食を済ませ、再び三国川ダム管理事務所へ!
見学時刻までまだ間があるので、館内の見学スペースをウロウロ。。。

1階部には「情報館」があり、パネルやコンピューター、ジオラマで三国川ダムを詳しく知ることができます。

三国川は、魚野川と合流して魚沼盆地を下り、さらに大河・信濃川と合流して越後平野を下って日本海へと注ぎます。
豊かな恵みをもたらす一方で、以前から洪水や灌漑などの被害もありました。
昭和44年(1969年)8月に発生した信濃川流域を襲った集中豪雨による大洪水により、死者4人、重傷者9人、建物被害3,300戸、被害総額42億円(魚野川流域)の被害が発生してしまいます。

これを機にダム建設が計画され、昭和50年(1975年)に事業が着手、平成4年(1992年)に18年の歳月をかけて完成。
「洪水の調節」「流水の正常な機能維持」「水道水の供給」「発電」の、4つの役目を担う多目的ダムとして、魚野川流域のダムの中では最も大きな規模になりました。

自然にとけ込むようなロックフィル。
左岸には階段が設けられているので、堤体を上り下りできるのも珍しく、堤体下に見える平地には、何と!露天風呂まであってとてもユニークなんです。
DAM-DATA三国川ダム(平成4年(1992年)完成)
場所 南魚沼市清水瀬
河川 信濃川水系三国川
形式 ロックフィルダム
堤高 119.5m  堤頂長 419.5m  総貯水容量 2,750万立方m
真正面に見る自由越流式の非常用洪水吐。
この洪水吐のコンクリート部は、最大骨材粒径80mmを使用したコンクリートポンプによる圧送工法(PCD工法)で施工した、世界初のダムになります。(奥に非洪水期常用洪水吐のローラーゲート支柱、左に管理所建物が見えています。)

ここからの放流が見られるのは、何十年に1度という想定外の大雨時。(災害緊急時)
あとは(平和的なのは)、毎年春の雪解け時。
この辺りは積雪が10mにもなろうかという豪雪地帯で、大量の雪解け水が流れ込んでダム湖(しゃくなげ湖)の貯水量が一定量を超えると、自然越流というかたちで放流が始まる仕組みで、こちらは地元の春の風物詩にもなっています。

通常時は、地下放水路からの放流。 下写真左側に流れ出てきているものがそれです。
流れは2つ見られ、右側が洪水期常用洪水吐。左側が利水放流ゲート。
前日からの雨のため、この日は利水放流ゲートからも流されていました。

定時になり、係員さん2名による解説と監査廊案内がはじまりました。
(~ここからは係員さんの案内説明を参考に、自分なりにまとめてみました~)

この日は、洪水期常用洪水吐から毎秒30立方m、利水用に毎秒10立方m、三国川ダム管理用発電所に毎秒10立方mの、通常よりも少し水量上回る、合計で毎秒50立方mの水が三国川へと流されていました。

管理棟で使われている電気は全て、ダム管理用発電所によってまかなわれているそうです。夜にはダムのライトアップが楽しめるのも、この自家発電あっての賜物ですね。

ダムは当初、重力式コンクリートダムでの建設が予定されていました。
しかし地質調査の結果、周辺地は硬い岩盤になっていることから、粘土、砂利、岩石を利用してつくるロックフィルダムが最適という結論になりました。

三国川ダムで採用されたロックフィルダムは、中央遮水型のロックフィルダムです。
底面積が広いことから基礎地盤にかかる力が低いので、コンクリートダムに必要なほどの地盤強度も必要とせず、手近にある材料を用いて建設できるという利点もあり、工費も安くあがるそうです。

しゃくなげ湖上に三角に見える法面が、ロック材を採取した場所です。
近場も近場。。。本当に、極めて近い場所から材料が調達できていることに驚き!
また、前回訪ねた折、全く知識無く見て違和感のあった、この三角の法面部の謎が解明してスッキリでした。

硬くてロック部に適した「斑れい岩」の層の下からは粘土質も出現したそうで、堤体コア部の補強としても使われたそうです。
また、ダム建設地には田んぼなどの耕作地と作業小屋が1つあるのみで、集落などが無かったことから、場所によっては難しくなる示談交渉もスムーズだったと思われ、まさにダム建設には絶好の場所だったのだと思いました。

常用洪水吐の故障時、点検作業の時に使う「常用洪水吐予備ゲート」
さらにその奥には「選択取水設備」があり、取り込んだ水は利水放流ゲートから流されます。
ダム湖内でも深さによって水温などが異なるため、急に冷たい水などを川に流して生態系を壊さぬよう、取水高さを選択し、適所からの水を放流するそうです。
自然の中に造った人工物だからこそ、自然環境にそった見えない配慮があるのですね。
三国川ダム監査廊見学♪

手前にある「非洪水時常用排水吐」は、洪水が起こりにくい冬などに水を流します。
梅雨時期や台風時期など、洪水が想定される時期にはゲートが閉じられていて、常用洪水吐から水が流されます。

ダムの水が溢れそうになった際、自然に水が流れ込んで使われるのが「非常用排水吐」
ダムが完成してからこれまで、雪解け期以外にたった1度だけ非常用排水吐にダム湖の水が越流したことがあり。。。それが、平成23年(2011年)7月に起こった「新潟・福島豪雨」の時でした。三国川下流に3日間泥水が流れ、下流域の住民からも苦情が出たそうです。

梅雨のこの時期は予め水害を想定して、ダム湖の水位も抑えめになっているはずですが
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前日からの雨が続いて警戒水位近くになりはじめ、利水放流ゲートから川へ流されているような状態でした。

「見学範囲が限られますが。。。」との説明のあとエレベーターから監査廊の見学へと向かいました。気象状況などによっては、見学が中止される場合もあるそうです。

エレベーターの定員が15名なので、1度に見学できる人数が14名までとなっています。とても乗り心地の良いエレベーターで、1分もすれば、別世界の地下100m地点に到着です。気温は通年11~2℃だそうで、この日は雨に濡れて、さらにヒンヤリと寒かったです。

ダムの点検や補修のため、ダム内部には通路が配置されていて、今回はこの通路を見学します。
私たちが歩いた通路下100mまで、コンクリートが入っているそうです。

透明ケースの中には、ケーブルなどが保護されています。
三国川ダム監査廊見学♪

壁面や床など、ダムの中に浸み出てきた水は、専用通路を通って集められ、計測・排出されるようになっています。
三国川ダム監査廊見学♪

天井部

埋設計器集中管理室

ダムに水を貯めている時、ダムには大きな力が働いています。その安全を確認するため、ダムの中には様々な計器が設置されています。ここでは「漏水計」「地震計」(5箇所に設置)「水平鉛直変位計」が置かれ、管理棟へとデータが送られています。

見学コースなどによって、立ち入れない部分もあります。

この付近は丁字路になっていて、見上げれば。。。私たちがエレベーターで「スッ!」と下りて来た、地上までの500数十段の階段が!

さらに反対側にも、500数十段。。。上下合わせて1,106段の階段があります。
ここを定期的に歩いて、点検作業がされているのでしょうね。
小学生などの見学時は、この階段を歩いて施設外へと出て、そこから観光バスに乗って帰ることもあるようです。

漏水測定装置

他ではあまり見学できない、目玉見学の隠された「常用洪水吐ゲート室」

大雨の時でも、川が溢れないように調整しつつ排水する役目を持った場所です。

大事な機能部は必ず「主」と「副」の2つあり、安全管理に対する重要さを感じます。
三国川ダム監査廊見学♪

空気弁

筒状部上には、主、副それぞれにゲート開度計があるはずです。

この筒状のものの手前が主ゲート油圧シリンダ、奥が副ゲート油圧シリンダです。

それぞれの(床)下に、主ゲートと副ゲートがあります。
ゲート室の中にいても、自分たちのいる床面付近からは、轟々と放流管を流れる水音が聞こえています。
通常時の一般見学ですと、この向こうにある扉を開いて、この放流風景までが見られるのですが、この日はすでに通常よりも多い放流が行われていたため、大量の空気を吸い込んでから放流する仕組みでもあり、この状況での見学は危ないとのことで、私たちの見学はここまででした。

今回案内していただいたことで、今まで知らなかった新しい知識を得ることもできましたし、実際の現場を見ながら一生懸命に説明してくださって、熱意も伝わり、とても分かり易かったです。
ダムカードをもらいに来ただけのはずが、とても有意義な雨の日になりました。

放流ゾーンについては残念でしたが、係の人が良いシーズンを教えて下さいましたので、また改めて出直すことにします。

----- Saturday, July 1, 2017 -----

三国川ダム管理所
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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