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塩屋橘♪

2016年11月10日
イケ麺パラダイス
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津川まで来たには、他に理由があったのですが、この日はすっかりお昼がメインの旅になってしまいました。

お邪魔したのは、旧道(県道14号:会津街道)沿いにある 塩屋 橘さん
切妻妻入りの建物には、それぞれ家の軒から庇を持ちだした「とんぼ」が備えられた雪国の宿場町らしい風景が続いていました。ウチの方では「雁木」といいますが、こちらでは「とんぼ」というのだそうです。
塩屋橘

津川の商店街では、ひと際目立つ風情ある佇まい。暖簾には大きく「川港 塩屋橘 橘屋藤三郎」と白抜きで書かれています。

会津街道は、新発田から赤谷→諏訪峠→津川→野沢を経て会津に抜ける、およそ92kmの道のりのこと。新発田藩や村上藩の参勤交代に使われ、殿様街道とも呼ばれていました。現在は新潟県ですが、赤谷 (現:新発田市) までが会津藩の領地で、新発田藩領との境には、口止め番所も置かれていました。もちろん津川も、会津藩領地内にありました。
また、津川の「津」は「港」のこと。会津からの陸路に加え、新潟までは阿賀野川を利用しての水運と、物流の中継地点となり、日本三大河港の一つとして栄えた町が津川です。
塩屋橘

正午を15分ほど過ぎた、昼食にはあまりに良い時間に到着してしまったので、お店の前には行列待ちができていました。初心者で何も分からず、最後尾と思われる人に作法など伺うと、店内にウェイティングボードがあるので、記名してから待つとのこと。
その通りにして外席で待っていると、常連と思われる先輩女性が「ここは、座るまで1時間。座ってから1時間なのよ!この前は蕎麦が無くなって、食べたくないうどんを食べて帰ったの。」と、教えて下さいました。
私たちも腰を据え、蕎麦に巡り合えることを願って待つことに。

長い通り土間、それに沿って見える通り庭、真壁造りの高い吹き抜け天井。雪の多い土地柄らしく、太い梁も印象的です。
古民家を移築して町屋を再現したという情緒豊かな店内には、テーブル席とお座敷。さらに、宴会などもできる2階席も設けられているようです。
塩屋橘

40分ほど待ったところで、我が家は1階座敷へと案内されました。
通り土間の高い吹き抜けとは打って変わり、商家でいえば店舗スペースや帳場だったような、天井が低く、少し薄暗さを感じる雰囲気で、部屋の奥の下壁には舟板のようなものがみられる独特な空間でした。
塩屋橘

団体さん用に、座敷のテーブルを複数個組み合わせて入れることもあり、決して大声で話しているわけではないのですが、天井が低くて音が籠るので、自分たちの会話が成立しない場合もありました。
塩屋橘

お蕎麦がメインのお店ですが、お蕎麦が終了するとうどんに変更になったり、単品や郷土料理、コース料理もあります。(お店のHPに詳しく書かれています。)また「十返舎一九」や「イザベラバード」などの実名メニューもあり。

文化11年(1814年)この地を訪れた十返舎一九の「諸国道中金草鞋」に、宿駅などの記載が残ります。
一方のイギリスの女性旅行家・イザベラ・バードは、明治11年(1878年)6月10日に東京を出発し、新潟や東北地方を経由し北海道まで踏査した「日本奥地紀行」で会津街道を通り、7月1日に宿泊地となる津川に辿り着き2泊しています。残念なことに、イザベラ女子が宿泊した旅館を特定した文献が残っておらず、それが何処だったのかは不明ですが、大半の宿屋の低い評価に対し、津川の宿屋だけは非常に高く評価されました。
これも三大河港として、多くの旅人と接してきた津川ならではかも知れません。
中にたった一人、イザベラ女子に向かって失礼な暴言を吐いた子どもがいて、その子はこっぴどく怒られ、警官が来て謝罪したという話が残ります。その時の子どもが、西郷四郎(姿三四郎のモデル:戊辰戦争を逃れるため、3歳からの幼少期を津川で過ごす)ではないか?という説もあるようです。
当時のイザベラ女子は、阿賀野川を「廃墟なきライン川」と絶賛しています。

私にはあまり馴染みの薄かった土地柄ゆえ、次々に新しい発見があって、とても興味深い場所でした。
そんなことを学びつつ、注文してから50分ほどした頃、我が家の料理が運ばれて来ました。

ちび子|わっぱ膳(¥1,550)

わっぱ膳

食べる人の健康を考え、数年前より、わっぱ飯には「薬米」の別名がある「黒米」が入っています。
種類は山菜と鮭の2種類から、好きな方を選べます。(ちび子は鮭で)わっぱに入った状態で、ご飯と一緒に蒸かされているようで、加熱した鮭の身でした。
イザベラ女子も津川宿での夕食で、鮭を一切れ召し上がっているそうですよ。

それに、卵焼きと山菜が付くセットメニューです。
わっぱ膳

田舎風の卵焼きが、また何とも美味しそうでした。
山菜には菊の花が和えられ、土地柄を感じます。

私たちは|冷たいそば かき揚げおろし(¥1,080)

かき揚げおろし

お店の看板メニューともいえるのが、高さにして10センチはあろうかという大きなかき揚げがのったお蕎麦です。

この時期ですので、かぼちゃやサツマイモがメインとなり、しし唐、小エビやイカなども入っていました。見た目とは違い、箸を入れるとホロホロと崩れるので、とても食べ易く、最初はパリパリと、麺ツユにが馴染んでしっとりの両方が楽しめ、気が付けば完食!
サツマイモの甘さが抜群で、サクッ!と、ホクッ!と、美味しいかき揚げでした。
かき揚げおろし

こちらの蕎麦は、西会津産の挽き粉を使った純手打ち蕎麦。新蕎麦の時期は十割、夏期は二八で打つそうです。
喉越しというよりも、モチモチっとした食感の独特な蕎麦に仕上がっています。
かき揚げおろし

蕎麦ツユは江戸前らしいですが、確かに辛口ではあるものの、しっかり利いたダシの味わいと、味醂の甘みも感じられました。少し辛みのある大根も、蕎麦にもよく合いますし、かき揚げをさっぱりさせてくれて美味しかったです。

完全無農薬の自家菜園もあり、出される野菜が美味しいのも、そんな手間暇からなのでしょう。
塩屋橘

打ち込みしながら営業されるお店ですが、私たちが食事中(午後2時少し前)、この日の昼の部のお蕎麦は終了との会話が、厨房内で飛んでいるのが聞こえました。
あとは、わっぱ飯とうどんの提供のみとなってしまいます。お蕎麦が食べたいなら、時間の余裕を持って、早めの入店が良い人気店でした。

ご馳走様でした。(Sunday, October 30, 2016)

塩屋橘

  • 住所 新潟県東蒲原郡阿賀町津川中町3508
  • 営業時間 平日 11:30~14:00 / 17:00~21:00|土・日 11:00~15:00 / 17:00~21:00
  • 定休日 不定休
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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