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【Part56】続・まつもと城下町湧水群(その2)

2016年11月07日
Dawn太と行く名水の旅
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まつもと城下町湧水群巡り その3

北側井戸の散策のあとは、ミネラル分豊富だという、城下南側の井戸を巡ります。
まつもと城下町湧水群
▲上図は、現在 松本市が管理する井戸

1.源智の井戸

源智の井戸市史跡
  • 場所 松本市中央3-7
  • 種類 一般飲料水|井水
  • データ 水量 毎分120L|硬度 142mg/L|PH 6.7|水温 15.1℃
源智の井戸

「まつもと城下町湧水群」の中で最も有名な井戸が、この「源智の井戸」でしょう。
井戸に続く高砂通りには、古本屋や人形店が立ち並んでいます。

この井戸は、松本城下町が形成される以前から、飲用水として使われていました。城下が整備されて以後も、宮村に住む人々に利用されましたが、天正年間に松本城主であった小笠原貞慶の家臣・河辺与三佐衛門源智の持ち井戸だったことから、「源智の井戸」と呼ばれています。

この井戸の存在は早くから知られ、文禄3年(1595年)信濃松本藩の第二代藩主であった石川康長により、不浄を禁ずる制札の掲出がされ、歴代の城主は井戸水の保護に努めてきました。天保14年(1843年)に刊行された「善光寺道名所図会」には、信濃国第一の名水とする旨が示されています。また、明治13年(1880年)の明治天皇の松本御巡幸の折には、この井戸水が御膳水として使われています。昭和8年(1933年)長野県史跡に指定。昭和42年(1967年)2月に松本市の特別史跡となり、平成元年(1989年)には復元整備工事が行われ現在に至ります。
源智の井戸

直径が2mほどもある、大きな八角形をした井戸。天保14年の「善光寺道名所図会」には「井筒の径は八尺、高さ九寸」との記載があるので、当時から同等の大きさの井戸があったものと思われます。

井戸の周辺は、女鳥羽川と薄川との複合扇状地で、市内でも有数の湧水地帯。深さ40mから自噴する井戸水は毎分120リットルの湧出量があるといわれ複数個設けられた吐出口からは、冷たく豊かな水が滔々と流れ落ちていました。

白い注連縄が風に靡き、その周辺は綺麗に手入れされている様子からも、地元の方々に長く愛され、よく手入れされていることが伺えました。また、史跡にもなっているこの井戸に限り、直近4回分の水質検査表が掲げてあり、地元小学生のまとめた調査結果が発表されているなど、特別感がありました。
源智の井戸

水はクセ無くすっきりとまろやかで、「信州国一」の名にふさわしい、非常に美味しいものでした。
日本人は軟水を好む傾向があるのに、この名水はミネラルが豊富に含まれた硬水であるというのも珍しいです。

井戸のすぐご近所には、この水で蕎麦をゆでる「源智のそば」や、名水珈琲がいただける「半杓亭」などがあるので、名水グルメも楽しめます。軟水を好む和食や珈琲が、硬水であるこの湧水により、どんな味になるのかも興味深いところです。

中村眼科の湧水場所 源智の井戸向かい
中村眼科の湧水

こちらは個人所有のもの。「源智の井戸」の向かいにある眼科さんに設置された湧水です。
(源智の井戸とDawn太が一緒に写る上写真の小路奥に見える白い建物のが、中村眼科さんです。)

奥の石鉢の中で吸い込まれた水が手前側の石鉢から溢れて流れ落ちる、昔ながらの井戸には無いお洒落なデザインになり、訪れる患者さんや、通行人の目を楽しませていることでしょう。

18.源地の水源地井戸

源地の水源地井戸平成21年度整備
  • 場所 松本市中央4-1-3
  • 種類 一般飲料水|井水
  • データ 水量 毎分150L|硬度 130mg/L|PH 6.9|水温 17.3℃
源地の水源地井戸

今年4月、米タイム誌が発表した「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた草間彌生さんは、松本市出身だったんですね!松本市美術館の玄関前にあった奇抜なオブジェ「幻の花」を見て、今更ながら気が付きました。

そんな美術館からもほど近い住宅街の一角に、高い建物に囲まれるようにしてあるのが平成21年に整備された「源地の水源地公園」です。この中にあるのが「源地の水源地井戸」で、水道水給水地に隣接し、現在市内に水道水を供給している井戸から引水しています。

上記の「源智の井戸」にもあるように、この付近は女鳥羽川と薄川との複合扇状地で市内でも有数の湧水地帯。松本市では、この地にさく井(深井戸)による湧水を求め、これを上水道の水源(源地水源地)とし、昭和23年12月より給水を開始して現在に至っているという、現地案内がみられます。市街地に水道水源があるというのも、現代では珍しくなっていると思います。
源地の水源地井戸

飲んでみると、こちらもスッキリとまろやかな水。我が国での水道水の基準は、硬度は300mg/L以下と規定がありますが、松本市民は日常的に、硬度が高めな水道水を使って生活しているということになりますね。

ちなみに、自分が普段どの程度の硬度の水で暮らしているのか?調べてみました。
データが古く、十数年前の水質になってしまいますが(ある意味、合併前なので細かい地域区分でみられますが)、塩沢、津川の6mg/L~糸魚川市162mg/Lと、同じ県内でもかなりの硬度差があることに驚き!自分の住む町は40mg/Lと、ごく普通の軟水で生活していることが分かりました。
すっかり脱線してしまいましたが、私にも、自分たちの水道水を知る良い機会になりました。

公園のはす向かい辺りにも、小規模ながら地下水を汲み上げるような装置がみられました。
源地の水源地井戸

12.日の出の井戸

日の出の井戸平成20年度整備
  • 場所 松本勤労者福祉センター
  • 種類 一般飲料水|井水
  • データ 硬度 83mg/L|PH 6.7|水温 15.0℃
日の出の井戸

勤労者福祉センター駐車場の一角に、松本市が「水めぐりの井戸整備事業」の一環で整備した水場があります。
街角にモダンなデザイン。常に水と共に暮らす街なのだと思います。
こういう水場、普段は見過ごしてしまいそうですが、災害時などには重宝しますよ。

日の出の泉 薬祖水場所 薬祖神社境内
日の出の泉 薬祖水

日の出の井戸からもほど近い場所に建つ松本薬業会館の敷地内に祀られた「薬祖神社」
この境内に、会館所有の湧水が整備されていました。
日の出の泉 薬祖水

元々、松本薬業会館の敷地にあった井戸は、周囲の井戸が枯れた時にも、決して枯れることがなかったと言い伝えられてきました。平成19年10月に、地元の薬業関係者の熱意により会館の横に「薬祖神社」が建立された折、合わせて湧水場も整備されています。

薬祖神社は御祭神として、茨城県の大洗磯崎神社から「大己貴命」と「少彦名命」が分霊されています。大黒様でもお馴染みの大己貴命は、慈悲深く福徳を授ける神として、また少彦名命は医学の祖神として仰がれ民を救う神として信仰されています。
奇しくもこの日はお祭りの日で、とても賑やかな場面に遭遇しました。

6.伊織霊水

伊織霊水平成17年度整備
  • 場所 松本市中央3-1-14 伊織霊水緑地東
  • 種類 一般飲料水|井水
  • データ 硬度 110mg/L|PH 7.0|水温 15.4℃
伊織霊水

大松禅寺の墓地敷地の端にあり、貞亨3年(1686年)に起こった「嘉助騒動」と呼ばれる農民一揆の際、一揆で中心となって年貢の軽減を直訴した多田加助らの助命・救済に奔走した鈴木伊織の墓所脇にある湧水です。残念ながら彼らを助けることはできませんでしたが、元禄3年(1690年)に鈴木伊織が死去した際、「伊織死亡候につき、同家へ悔やみに参る事不罷成候」という高札が出されるほど、農民から信頼され慕われた人でした。

鈴木伊織が名の由来の湧水は平成17年(2005年)7月に改修されています。
また、水場向かいに整備された公園にも水路がみられる憩いの場となっていました。
伊織霊水

おしまいに

今回、巡った10か所、散策しては立ち寄り、また散策しては立ち寄りだったこと、もちろん水が美味しかったこともあり、何処に立ち寄っても、味見してくれる隊長の姿が嬉しかったです。

----- Sunday, October 23, 2016(Dawn太 1歳7ヵ月|生後608日)-----
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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