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【Part51】奴奈川姫産所の湧き水

2016年10月01日
Dawn太と行く名水の旅
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北陸自動車道を能生ICで下り、農家キッチン ひだまりに向かうために県道246号西飛山能生線を走行中に、ふと見つけた1枚の案内看板。糸魚川では様々な伝説やゆかりの地が残り、ちび子が食べたメニューのように各店の看板商品や、地酒にもその名が使われる奴奈川姫。その産所への案内板でした。

大国主命の妻であり、諏訪大社の主祭神・建御名方命の母である、高志国の王女・奴奈川姫の産所へ

食事を済ませたあと、その案内板から示す方向に2キロ半ばかり移動。農村集落を抜け、最後は車のすれ違いも不可能な1本道の農道を、両脇に広がる稲刈りの様子など見ながら上り詰めると、農道の終点に3台分ほどの駐車スペースがあり、ここから残り数百mは完全徒歩移動となります。
奴奈川姫産所入口

歩き始めてすぐに一筋と、数m歩いた先にさらにもう一筋。僅かな区間に、少なくても2か所の川の流れが確認できました。さらに、粘土質な山道のところどころはぬかるみ、水の多い場所であることは容易に分かりました。
水路

林道入口には「熊出没注意」の注意看板もあり、熊鈴を持ってくれば良かった!と思いつつ、大きな声で話すようにしながら(時々、わざと奇声をあげながら)山道を進んで行きました。
山道を行くDawn太

Dawn太がいるから大丈夫!


…そう言う私に旦那が一言、「草むらに顔を突っ込んで、クンクンしながら横道に反れる犬が熊と鉢合わせして熊の逃げ場を失わせ、それで襲われる場合もある。」と。

マーキング大好き坊主よ、真っ直ぐ歩いて、早く行こう!
山道を行くDawn太

道の曲がり角に来ると、定期的に幟旗があって案内してくれています。
5分も歩くと、ひっそりとした木立の続く山道らしい道に。
山道の案内板とDawn太

一箇所目の湧き水

最後の案内版を右手に折れると、もうその奥には巨石が見えてきますが、その僅か手前で、Dawn太が水を飲んでいるではありませんか!
ここが、産所周辺 一箇所目の湧き水です。
一箇所目の湧水

今も静かに、フツフツと湧き出ているのが分かるほど。こんなに粘土質な場所にありながら、水は透明で綺麗。溢れた水は、山肌を滑るように下方へと流れ落ちていました。

大した山道ではなかったですが、水飲み隊長がペロペロと飲み続けているのでかなり美味しいようです。
一箇所目の湧水を飲むDawn太

ここ島道地区の岩井口は、奴奈川姫が誕生した場所として伝えられています。
中能生郷土史・能生町史には「島道に岩井口という所あり、水がこんこんと流れ出て、人々はここを"ぬながわ姫の産所"と言っている。」と記されているそうです。
ほかにも糸魚川市内には、奴奈川姫に関する言い伝えが数多く残っていることから、奴奈川姫が西頸城地方に生まれ住んでいたことは、事実であると考えられています。

…ということは、見つけた一箇所目のこの湧き水は、姫の産湯に使った水なのでしょうね。

Dawn太が水を飲み終えるのを待つ間、ふと視線をやると、産所といわれる場所の真向いは(多分、自然地形なのでしょうが)一旦、空堀のようになって土地が落ち込み、さらにその一部だけは不自然に盛り上げられた場所があり。まるで、山城の防御の構造のように見えました。(800年以上も前の遺構が、現在もそのまま残っているとは考え辛いですけどね。)
まるで山城のような地形

日本の奇岩百景のひとつにもなっているパワースポット、奴奈川姫産所

奴奈川姫産所

湧き水を通り過ぎてすぐにある「奴奈川姫産所」
高さ8mにもなる巨岩が重なり合い、その上には御神体の立つ神秘的な空間。その巨岩の間から、奴奈川姫が誕生したと伝わっています。
奴奈川姫産所

奴奈川姫(古事記では沼河比売)は「古事記」や「出雲風土記」などの古代文献にも登場し、今からおよそ1,800年前の時代、現在の福井県から新潟県を指す高志国(越の国)の王女として誕生した女性(女神)です。古事記には「賢し女にして、麗し女の姫(賢く美しい姫)」と記されていて、その美貌から、出雲の大国主命が見染て求婚し(古事記712年)、二人の間に生まれた子どもである建御名方命は、御柱祭で有名な諏訪大社の主祭神です。

奴奈川姫は諏訪大社の下社にも祀られていて、この産所と伝わる場所もまた、安産や子授けを願う参拝者が全国から訪れる「パワースポット」だそうです。
奴奈川姫産所

巨石下は住居跡。
山岳宗教の修験者の道場を彷彿とさせるような、低くてあまり広くはない空間に奴奈川姫が祀られていました。
奴奈川姫産所

この周辺だけ空気感が違い、獣なんて近づけてはいけないんだろうな…と思わせる神秘的な場所でした。
Dawn太を連れた旦那は、岩の遠く離れた場所から見ていただけ。私とちび子だけ、岩屈の中まで入って見学・参拝しました。

奴奈川姫誕生の場であるこの巨石は「日本の奇岩百景」のひとつにもなっています。県内では5か所の指定があり、その全てが糸魚川市に存在しているというのも興味深いところです。

散策を終えて山を下りて来ると、真正面には悠然と聳える鉾ヶ岳の姿が!
鉾ヶ岳

鉾ヶ岳や権現岳には、大国主命と奴奈川姫に関する伝説が残っています。
また、この日、我が家の名水旅の本来の目的地であった「能生白山神社」もまた大国主命と奴奈川姫が祀られた場所です。

二箇所目の湧き水


二箇所目の湧き水

産所周辺 二箇所目の湧き水は、駐車場横、砂防堰堤付近に導水されていました。
二箇所目の湧き水

水の豊富な山らしく、勢いよく流れ出ていました。
飲んでみると、驚くほどふわっと柔らかくて、丸い口当りの優しい水でした。
二箇所目の湧き水
奴奈川姫産所の湧き水・場所 糸魚川市(旧能生町)島道地区の山中
奴奈川姫産所の湧き水を飲むDawn太

史跡見学に来たはずが、気づけば名水の旅になっていました。

おしまいに

名も無い湧き水を飲み終え、再び産所方向の山を見上げる。
この日は何かに導かれ、この地を訪れたのかも知れません。
奴奈川姫産所の湧き水から見た景色

奇しくも、我が家がこの地を訪ねた同じ日。日本鉱物科学会はヒスイを「日本の石」に選定したという嬉しいニュースを、後日になって知りました。
糸魚川は国内でも有数のヒスイの産地。奴奈川姫もヒスイの勾玉を身につけ、この地を統治していたという話です。

----- Saturday, September 24, 2016 (Dawn太 1歳6ヵ月|生後579日)-----
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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