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【Part33】柳清水

2015年11月14日
Dawn太と行く名水の旅
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十日町市松之山にあった造り酒屋 村山家旧宅にて

杉木立に囲まれた、苔生す石畳の参道を上って行くと
村山家旧宅

村山家旧宅

水濠を備え、まるでお寺にでも来たかのような風格を備えた門構えの大棟山。
村山家旧宅

門を潜ってさらに続く、苔生した道。ちょっとした城郭のようでもあります。
ここは元造り酒屋であり、大庄屋であった村山家の旧宅とそのお庭です。
村山家旧宅

村山家について

村山家の過去帳によりますと、その最初に登場する村山万五郎正実の命日は、延慶2年(1309年)4月4日。鎌倉時代後半ということになります。歴代当主の数は31名、実に700年以上という長い歴史をもつ名家です。代々文人墨客が多く、八代・正茂の弟は「北越雪譜」で知られる鈴木牧之の娘婿であり、九代は水墨画を好み、分家には画家が存在したといいます。

十代・吉次の次女・真砂(まさご)は、柏崎地方の盆踊りの囃子に歌われるほどの才色兼備な娘で、元々が文人家系に生まれ育ったこともあり、長岡での花嫁修業により、なお一層博学な才女へと成長します。女性はカタカナ名が殆どだった明治の時代、漢字名であること自体が、すでに名門の証であったとも言われます。そんな真砂に、現在「北方文化博物館」で広く知られる大地主・伊藤家から白羽の矢が立ちます。明治25年(1892年)5月の大安吉日、16歳の真砂は、伊藤家六代・文吉(謙次郎・22歳)と盛大な結婚式を挙げ、その披露宴は三日三晩盛大に続けられたそうです。(当時の婚礼料理が「北方文化博物館」に展示されています)
2年後に長男が誕生。その翌年3月に新婚旅行へと向かいますが、その期間はなんと70日間にも及び、京都、奈良、伊勢へと。。。島にも立ち寄り、帰路は東海道経由で東京に出て、会津方面から5月に帰宅と、これまた桁外れな優雅さです。しかし、この名家同士の婚姻、この年の秋に長男を亡くされ、さらに27歳という若さで未亡人となられるのですよね。
村山家旧宅

このお宅から嫁いだ娘もあれば、この家へと嫁いで来た娘もあるわけです。
新潟市出身の文豪・坂口安吾の叔母である貞は29代・政栄に、実姉のセキは30代・真雄にと、2代続けて村山家に嫁いでいたという縁から、昭和5年~13年にかけて、安吾は頻繁に松之山の地をを訪れていたそうです。(お姉さんの名前、明治生まれだった私の祖母と同じ名で親近感です。)
安吾の作品の中にも、松之山が描かれているものが幾つかあります。中でも「不連続殺人事件」は、村山家が作品の舞台といわれています。松之山は、安吾の第二の故郷だったのでしょうね。

坂口安吾の遺品や庄屋の暮らしを今に伝える「大棟山美術博物館」

松之山随一の旧家であるこのお宅、平成5年からは村山家31代当主・村山政光氏(旧松之山町長 / 新潟第一酒造初代社長 / 2008年2月逝去)により「大棟山美術博物館」として一般公開されています。
大棟山美術博物館

造り酒屋にちなんだ展示品は勿論のこと、村山家31代当主にとっては叔父にあたる、安吾の遺品なども展示公開されています。
大棟山美術博物館

浅野忠信主演映画、坂口安吾作の「白痴」ロケ地にもなったお宅です。
大棟山美術博物館

大棟山美術博物館

大棟山美術博物館

村山家の造る「越の露」をこよなく愛した安吾
大棟山美術博物館

安吾が愛した「越の露」の醸造用水にもなった名水「柳清水」

そんな大棟山美術博物館の入口前に、今回目的の柳清水の取水場が整備されています。
博物館に来館の人が喉を潤すほか、水汲み目的の訪問者もあります。

村山家の敷地内に引き込まれたこの湧水は、安吾がこよなく愛した松之山の地酒「越の露」の醸造用水としても、昔から使用されていました。
柳清水

松之山の地滑り被害を受けたことで、村山家の酒蔵「越の露醸造」は無くなってしまい、昭和38年に亀屋酒造(旧浦川原村)、大島酒造(旧大島村)、和泉屋酒造(旧松代町)の4軒と合併、さらに昭和40年に一川酒造(旧中里村)が追加合併し、現在は新潟第一酒造株式会社となっています。その、初代社長が村山家31代当主でもあります。

一旦無くなった銘柄でしたが、嬉しいことに!平成に入ってこの「越の露」が復活製造されていてます。安吾と松之山の繋がりを知った人は、少なからずこのお酒を買って行かれるそうです。(我が家も松之山温泉街にて1本!)
越の露

水はコンコンと湧き出る箇所と、勢い良く放水している2箇所あります。
勢い良く出ている方が、若干冷たく感じます。
柳清水
柳清水新潟県の名水
  • 場所 十日町市松之山
  • 水量 毎分15L|硬度 39mg/L|PH 6.1
柳清水を飲むDawn太

さすがお酒の仕込みに使うだけあります。柔らかく、甘みもあって美味しい水でした。

ブナ林が育む清水と安吾の碑

清水の湧出箇所は、取水口から約500m離れた旧金比羅林、現在、坂口安吾碑のあるブナ林の中に存在しています。

坂口安吾記念碑は、昭和62年10月に安吾ファンからの寄付により、松之山小学校前に建立されています。流行作家として円熟期の頃のレリーフと、初期の頃の小説「黒谷村」の冒頭文が碑に刻まれています。
坂口安吾記念碑

博物館は冬季閉鎖になるため、その間、柳清水の利用はできなくなります。

----- Sunday, November 1, 2015 (Dawn太 生後8ヶ月|251日)-----
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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