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微笑仏@柏崎博物館

2014年07月27日
微笑仏
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ちび子抜きの休日。。。次に向かった先は柏崎市立博物館。
昨年秋、赤坂山の紅葉を見に来た際にも、こちらを通過しているのですが、この中に木喰仏があるとは、当時は知りもしませんでしたので。

丁度時期が良く、下の駐車場から博物館に向かう道脇には市の花である「ヤマユリ」が綺麗に咲いて、まさに盛りの状態でした。
柏崎市立博物館

初めて入った博物館内はとても充実した展示で、米山信仰の話から始まり、大昔、柏崎にはナウマン象がいたという事、現在ではコウモリの生息地としてもよく知られていて、洞窟を模した展示なども見られ、市のシンボルマークにもコウモリが起用されているんですよ。
柏崎は近代石油産業発祥の地でもあり、館内にはその展示も見られたのですが、旧日本石油のロゴもまた、コウモリを模したもののようです。

こういう実物展示だと、ちび子にも分かり易くて楽しかったかも。。。
プラネタリウムも格安で体験出来るので、次回は一緒に来よう!と思いつつ、目的の木喰さんの展示を探しながら館内を進みます。

木喰上人

木喰上人は江戸時代後期の遊行僧。
享保3年(1718年)甲斐国(現山梨県)丸畑の農家、伊藤六兵衛の次男として生まれます。14歳で江戸に出奔。様々な職業を経た後、22歳で仏門に入ります。45歳になると、五穀(米・麦・粟・稗・黍)、塩、火を通した食物を断つ修業「木喰戒」を受け、56歳からの37年間は、「日本廻国」「千体仏像造」「衆生済度」の悲願をかかげ、廻国修行の旅に出て千体以上ともいわれる仏像を刻み、現在、全国で確認されているだけで約620体ともいわれています。
60代半ば、85代半ばの2度に渡って県内を訪れていて、滞在期間もそれぞれ4年と長かったことから、そのうち4割に当たる約260体が県内に存在しています。再訪した80代後半は上人円熟期にあたり、微笑仏の特徴がよく現れた傑作が多く30体を超える大群像が残っているのも、県内4か所のみだそうです。大正末期、民俗学者や民芸研究家によって広く世に出され「円空・木喰」と並び称され、高い評価を得るようになります。
文化7年(1810年)93歳で生涯を閉じますが、入寂の地は不明です。

木喰上人は越後を2度訪れており、初訪の天明年間(1781~1786年)には佐渡に渡り、初期の作風残る仏さまを。さらに20年の文化年間に再訪していて、木喰上人80歳半ばの円熟期。。。今でいわれる「微笑仏」240体を残しています。そのうちの3割にあたる80体程が、柏崎周辺に残されていて、この地は木喰仏の宝庫ともいわれています。

十王堂木喰仏
柏崎市立博物館

博物館と琵琶島城址の中間辺りに位置する「十王堂」には、閻魔大王坐像、十王尊坐像、頻頭慮尊者坐像、葬頭河婆半跏像の計12体が残されていました。
現在、十王尊のうちの3体と葬頭河婆が博物館に移され、ガラスケースに入った状態で展示されています。作品は背後からも鑑賞でき、背中に入った木喰上人の墨書を直に見ることが出来ます。

展示のライトが下から照らしている事もあり、突き出た頬骨、眉間にシワを寄せた十王尊の表情がさらに厳しく見えます。(文化元年11月9日~文化2年正月2日作)
長い髪、見開いた目、大きく開いたな口、浮いたアバラに垂れ下がった乳の葬頭河婆は不気味な表情、不気味な存在ながらも、木喰さんらしい愛嬌のようなものを奥に秘め、その精巧な彫り跡に、ついついその場にしゃがみ込み、引き込まれるように見入ってしまう魅力的なものでした。(文化元年11月15日 87歳作)
※葬頭河婆(しょうつかばば=三途の川の渡しで死者の衣類を剥ぎ、その衣を領樹の枝にかけ、罪の軽重をはかる老婆のこと)

寄託展示
柏崎市立博物館

手前に見える3体は、中越沖地震以来、柏崎市西港町の潮風園から寄託の弘法大師(文化2年2月2日 88歳作)、大日如来像(文化2年2月14日 88歳作)、興教大師(文化2年2月7日 88歳作)、背面に書かれた木喰上人の墨書がそのまま写され展示されていましたが、この大きな3体を、日を置かずに彫り上げているのが木喰さんの凄いところです。
奥の2体は、柏崎市新道の竜松庵寄託の弘法大師と興教大師。こちらは高さ50cmほどと小ぶりなのですが、同じ弘法大師を彫ったものでも、何故かこちらの弘法大師の表情に、妙に惹かれてしまった私でした。

文化2年(1805年)木喰上人は十王堂で新春と米寿を迎えています。自ら「はちぼく図」を彫ったそうで、その展示も見られました。(はちぼく=八木の字を分解すると八十八になります)
「はちぼく図」は親しかった村人に摺り与え、共に賀寿を祝ったそうで、上人の人柄が伺える、微笑ましいエピソードに感じました。

博物館では、平成元年(1989年)10月から1ヶ月間「越佐の木喰仏展」が開催されました。数百点という木喰仏を一同に集めての展示は初めてだったそうで、あれから25年が経ち、なかなか行けない佐渡の作品なども含め、また開催して欲しいものだと思いました。

この博物館は、なんと常設展示が無料なのです。これだけ楽しませてもらってタダでは非常に申し訳なく。。。この時の展示会をまとめた本を1冊購入して来ました。私の新たな勉強材料にしたいと思います。

※展示物の撮影について博物館の方に訪ねてみると、「スナップ程度なら」というお答えだったので、写真小さめ、雰囲気が伝わる程度で掲載しています。
----- Monday, July 21, 2014 -----

参考:高橋実 著「木喰仏を巡る旅」
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
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