旧陣屋のお屋敷でいただく会津郷土料理「田季野」の元祖輪箱飯と会津地そば

そふぃあ

2019-05-21
食べ歩記
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Dawn太たち三兄弟揃ってのオフ会だったGW後半のこの日は、高速あがるまでの途中にあって、以前から食べたいと思っていた会津の伝統的な「郷土料理」が味わえるお店に立ち寄り、夕食を済ませてからの帰宅になりました。

あまり予備知識なく選んだお店でしたが、まずはその佇まいに驚き、大人数を収容しながらの料理のクオリティの高さに驚き。旅の良き締め括りとなる地元の味に出会えましたので、ご紹介します。

元祖輪箱飯 会津料理・割烹 田季野の五種輪箱飯
檜枝岐村の曲げわっぱに盛り込まれた会津郷土料理の輪箱飯と小露

輪箱飯(わっぱめし)の元祖ともいうべき会津料理・割烹「田季野」

この度お邪魔したのは、昭和45年創業の元祖輪箱飯 会津料理・割烹「田季野」。店舗は会津若松市内にあり、市役所通りと大手門通りに挟まれた栄町に位置します。

会津料理・割烹 田季野の外観

GW中の夕方6時半。すでに店前の駐車場はいっぱいで、第二駐車場があるというものの土地勘なく、大手門通り沿いにあるコインパーキングに駐車しました。何も知らずに歩き出すと、目の前には会津鶴ヶ城の「甲賀町口門跡」の石垣が聳えていてビックリ。鶴ヶ城の城址巡りも散々したと思っていましたが、城外はこの辺まで散策したことなく、まだまだ見どころがあるものだと知った次第でした。

そこから向かう店舗までの道のりには枡形構造の名残りがあり、思わぬところで城好きのツボを押さえてくれ、夕ご飯にあり付けること以上にテンションUPでした。

絲澤舊陣屋移築店舗の田季野店内
田季野のエントランス部

「ごめんください!」と一歩店内に足を踏み入れ、ここでまたビックリ。外はすでに薄暗くなりはじめ、白塗りの外壁だけでは想像もできませんでしたが、内部は何とも歴史を感じる建造物。しかも解放的な吹き抜け構造になっていてデカイ!エントランス部を見下ろせる二階席もあるようです。

なんでも「田季野」の店舗は200~250年前の建物で、参勤交代の際に大名の宿であった、鎌倉時代から続く下野(しもつけ)街道の旧家「絲澤舊陣屋(いとざわきゅうじんや)」を移築復元したものだとか。「元祖」の名に相応しい貫禄ある佇まいがまた、旅先での特別感をさらに演出してくれるようでした。

田季野のエントランスにいらっしゃる布袋様

店内満席の様子。ウエイティングボードに記名し、席が空くまで15分ほど待ちました。

黒光りする太い柱や鴨居、歴史を感じる調度品の数々を眺めていても楽しい土間のエントランス部。前出のエントランス部の写真はわざと見切ってありますが、奥への座敷に向かう通路右手には、無数の千社札や紙幣がペタペタと貼られた、高さ2m近くもあろうかという巨大なモノも置かれていて圧倒されます。

田季野の卓上セッティング

しばし待ったあとに案内されたのは、一階にある床の間付きのお座敷席でした。無数の座卓で埋められたお座敷には、先客たちがひしめき合うように食事中で、まるで修学旅行の夕食のような光景にも思いました。

運ばれてきたお茶と共にテーブルに置かれた木札は、後の会計の際に必要となる伝票がわり。こんなところにも風情を感じます。

田季野オリジナルの箸袋

箸袋はそれぞれに違う絵柄になっており、裏面や開いた部分には来客者が残した川柳が書かれていました。来客者の出身地も全国様々。中にはやはり、玄関入って目に飛び込んでくる巨大なモノに触れて書かれている川柳もありました(笑)

さて、店の暖簾にもあるように、田季野といったら会津の郷土料理である「輪箱飯」の元祖ともいうべきお店。メニューを見ても輪箱飯なら何でもあり!な感じで種類豊富に揃い、初心者にはとても決めきれなかったので、迷ったらコレ!というメニューを選んでみました。

10分も待つと最初の料理から順に運ばれてきます。

会津セット(2,484円)小露にチェンジ(+378円)

前菜2品・お味噌汁・お新香付き。会津地そばと五種輪箱が一緒に楽しめるお得なメニューです。

田季野提供の会津地そば
会津地そば

まず運ばれてくるのがお蕎麦。メニュー表には「会津蕎麦」としか書かれておらず、運ばれてきた蕎麦が、いつか食べてみたかった「ねぎそば」で万歳!な気分でした。

箸であり薬味である長ネギ

この「ねぎそば」も会津若松のご当地グルメのひとつ。長ネギが箸替わりであり、一緒に齧って薬味としても食べるのです。ネギも蕎麦も良く冷えて美味しいけど、途中からネギの辛みに負けそうになる…(笑)でも。しっかり完食しました。

田季野提供の小露
追加料金で変更した小露(こづゆ)

通常セットメニューはお味噌汁がつきますが、追加料金(+378円)で小露(こづゆ)に変更できるというので、そのようにしていただきました。

小露も、ずっと味わってみたいと思っていた会津を代表する郷土料理のひとつ。貝柱でとっただし汁で、里芋や人参きくらげなどが煮てあって、我が県に伝わる郷土料理「のっぺ」に相通ずるものを感じました。

田季野の前菜替
輪箱に入った前菜三種盛り(切昆布の煮物・会津けっとばし・お新香)

聞きなれず、味わうのも初めてだったのは「けとばし」。会津は美味しい馬肉が味わえる地であり、馬肉のことを一般に「蹴飛ばし」と呼ぶそうです。

ここで出された「会津けっとばし」は、馬肉をニンニク味噌で炊きあげたもの。常備菜でもあるそうで、しっかりと付けられた味はご飯だけでなく、日本酒にも合いそうでした。

田季野の五種輪箱
五種輪箱

最後にご紹介するメインは、田季野の輪箱飯で一番人気の「五種輪箱飯」

杉や檜の薄い板を曲げて作られる木製の輪箱。そこに会津のコシヒカリと鮭・蟹身・ぜんまい・キノコ・玉子・彩りの枝豆など、主だった内容が全て盛り込まれ、熱々に蒸し上げられた状態で提供されます。

思いもよらぬほど、会津郷土料理オンパレードとなりました。かなりボリュームがあるので、ここは是非ともお腹を空かせて訪ねたいお店。観光客相手のお店でありながら、味はしっかり美味しいので、リピされるお客さんも多いのではと感じました。

檜枝岐村に通ずる田季野の輪箱飯

田季野の輪箱飯のはじまりは、創業以前の昭和30年(1955年)の頃、尾瀬の玄関口である南会津の檜枝岐村にて、先代ご店主が曲げわっぱに出会ったことが発端であったそうです。

山深く、雪深く、厳しい自然相手に暮らす檜枝岐村。昭和初期の頃は秘境と呼ばれ、先代が訪れた頃にもまだ電気やガスなどのライフラインも整っていない時代だったのでは?と思われます。やせた土地では米も育たず、村人の主食は蕎麦であったといわれ、「山人(やもうど)料理」と呼ばれるものが現在も伝承されています。

檜枝岐の山人(やもーど)料理堪能

真夏の雪まつりにお邪魔した日のお昼は、雪まつり会場であった尾瀬檜枝岐温泉スキー場向かいにある 尾瀬の郷交流センター へ!...

山人たちが山に入る際に携える弁当箱が曲げわっぱであり、それに魅せられた先代が、地元会津の食材を盛り込んだ輪箱飯をつくりあげたいと考え、元祖の看板を背負う田季野があるというわけです。

私の場合、夏が来れば思い出すのは尾瀬…ではなく、檜枝岐村。
輪箱飯を味わいながら、「今年も忘れず真夏の雪まつりに行ってみよう」と思った旅の終わりでした。

ご馳走様でした。(Friday, May 3, 2019)

田季野の店前にある大木

元祖輪箱飯 田季野 (昭和45年 / 1970年創業)
福島県会津若松市栄町5-31  地図
http://www.takino.jp/

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