ガーデンハックルベリーのジャムを作ってみました
信州信濃町を訪ねた際、我が家が度々立ち寄るのが道の駅しなの。
お食事処では地元食材を使ったメニューやスイーツが並び、中でもアイス食いの私が最も嬉しいのが、時期によってルバーブやナツハゼといった、他ではなかなかお目に掛かることの無い食材を使ったソフトクリームが登場するということ。
そして同施設内の「地場産品直売所いっさっさ」に行けば、その珍しい旬食材が購入できるとあり、我が家も信濃町産の新鮮野菜をお土産に購入して帰ることがしばしばあります。 訪ねたこの日も、大根やトマト、カボチャなどの地元旬野菜と共に、ブドウやリンゴ、トウモロコシなどが所せましと入荷し、大勢のお客さんでごった返してました。
中でも気になったのが、我が家方面ではあまり見掛けない▲こちらの販売棚。
山ぶどうも珍しいですが、県内でも手に入る品。もっと気になったのは下段にあった「ハックルベリー」。しかも生食向きでなくジャム用だというので、私もジャム作りの材料にと1パック購入してみました。
ガーデンハックルベリーって何?
売り場では「ハックルベリー」と書かれて売られていましたが、レジ会計の際「生で食べないでね!」とさらに念押しされて「???」でした。
実は購入してきた品は正式名を「ガーデンハックルベリー」といい、アメリカなどに自生するお馴染みツツジ科のハックルベリーとは全くの別物だったのです。(パック表示を見直すまで気が付きませんでした。)じゃぁ、ガーデンハックルベリーって何?
味は悪いが栄養豊富なガーデンハックルベリー
ガーデンハックルベリーは、ナス科・イヌホオズキの仲間の一年草です。アントシアニンやビタミンAはブルーベリーの4倍以上含まれるといわれ、その他にもビタミンC、カリウム、カルシウムといった栄養素も多く含まれています。
生食向きでないといいますが、食べてみないことには調理もできないので1粒味わってみました。皮はミニトマトを噛んだ時のような弾力があり、弾け出てきた果肉部は、漬かりが浅かった茄子漬を食べてしまった時のような、エグイ渋みのような味がずっと長く口の中に残るものでした。一瞬、フルーツっぽい酸味も持ち合わせているように感じましたが、とにかくエグ味と独特のニオイが口の中を占領し続けるので、確かにこれは生食では無理。
栄養価の高い食材ではあるので、甘く煮て美味しく栄養摂取しましょうということなのでしょう。
毒性もあるガーデンハックルベリーの注意点
ガーデンハックルベリーで食べられるのは完熟果だけです。未熟果や葉・茎・ガクの部分などにはソラニンという有毒成分が含まれているので、決して食べてはいけません。成人の場合、中毒量はおよそ200~400mgとのこと。中毒症状としては頻脈、頭痛、嘔吐、胃炎、下痢、食欲減退などが起こります。
素人でもわかる見極めの目安としては、実の色が真っ黒なもの。ガクの部分が茶色く枯れた感じになっていれば「完熟果」と思って間違いということでしょうか。
ガーデンハックルベリージャムを作ってみる
購入したパックにもレシピが付いてきましたが(某大手レシピサービスのコピーでした)、ネット検索してみると、とにかくアクが強い食材であるとの記述もあり、幾つかのレシピを参考にしつつ、自分なりにアレンジしながら手探りでチャレンジしてみました。
材料
- ガーデンハックルベリー 1パック(600g)
- きび砂糖(グラニュー糖でもOK) 300g(ガーデンハックルベリー重量の3分の1~半量程度)
- 重曹 小さじ1
- レモン汁 適宜
1.不純物を取り除く
ガーデンハックルベリーをボウルに入れ、4~5回水を入れ替えながら丁寧に洗います。
先にも言いましたが、ガーデンハックルベリーのガクには毒性があるので、洗っている段階で実に付いたままのガクや不純物などしっかりと取り除いてください。また、中毒防止策として、良く洗い流すというのも一つの方法になりますので、水洗い作業は繰り返し丁寧にされることをオススメします。
2.アク抜きをする
アク抜きの強い味方が、お菓子作りや掃除にも使える重曹です。
以前はお正月の黒豆を煮る時くらいしか使わなかった重曹ですが、6~7年ほど前から私が「重曹うがい」のために使うようになり、以来、常に大箱で常備されるようになりました。本当に万能選手で便利ですよ。
ガーデンハックルベリーを鍋に入れ、ヒタヒタにかぶる程度に水を注ぎ、小さじ1杯の重曹を入れて火にかけます。
重曹水が人肌程度に温まった頃になると、ガーデンハックルベリーの色が煮汁の中に移ってきます。茄子漬を漬けた時のようなその色合いに、ナス科の植物なことが妙にうなずけた瞬間でした。
一方、人肌の温湯に浸かっていたガーデンハックルベリーはというと、少し皮が膨らんで柔らかくなり、その姿は小さな、小さな丸茄子のよう。掬い上げたスプーンが計量スプーンの小さじですので、ブルーベリーサイズの丸茄子ですね。
沸騰すると緑色の泡が沸々。このまま火加減を調節しながら10分ほど茹でてアク出しをします。
他の方の写真を拝見すると、もっとたくさん緑色のアクが出るようなのですが、私が購入したものは良い環境で育ったのか、極めてアクが少ないものだったようです。
10分ほど茹でたらザルにあげ、再び3~4回ほど繰り返し水を替えながら、流水の下でアクを洗い流します。一緒に、鍋についたアクも綺麗に洗い流しておきましょう。
10分茹でた時点でかなり実が柔らかくなっていて、そこから洗ったので随分と実が破れてしまったけど大丈夫かな⁉
種は煮ても粒が固いまま残るので、滑らかな口当たりに仕上げたい場合はここでミキサーなどにかけ、裏漉しして、種と皮を取り除くと良いそうです。
3.砂糖を加えて煮る
分量の砂糖を実にまぶし、ガーデンハックルベリーから自然に水分が上がってくるまで少し待ちます。
ジャムなので、レシピの多くはグラニュー糖を使用していますが、我が家はいつも甘さが軽くてカルシウムもある「きび砂糖」を使って調理します。
7分も待つとこのとおり。新鮮で、とても瑞々しいガーデンハックルベリーだったようです。
最初は弱火で煮始めます。煮始めるとさらに果汁が上がってきます。
砂糖を入れて煮始めてから最初の沸騰。今度はブルーベリージャムを煮ている時と同じような、綺麗な紫色です。
最初に浮くアクは悪いアクで味を損ねます。鍋全体が沸騰するようになったら、少し火を強くして中央に茶色いアクを集めて一気に取り除きましょう。
今回、私が信濃町で買い求めたガーデンハックルベリーは、本当にアクの少ないフレッシュな実だったようで、茶色いアクも極僅かでアク取りも2~3回で済んで楽でした。
4.レモン汁を入れて仕上げます
弱めの中火で30分ほど煮ました。泡の粒が大きくなり、照りとトロミも出てきました。
物産館のレジ係の女性が「レモン汁を入れないとジャムになんないよ」と仰っていたので、普段のジャムでは大さじ1杯程度しか入れないレモン汁を大さじ3杯に増やして仕上げてみました。
5.できあがり
レモン汁を入れて軽くひと煮立ちさせたら、ガーデンハックルベリージャムの完成です。予め煮沸消毒しておいた瓶に詰め、そのまま常温になるまで冷まし冷蔵庫で保存します。(冷凍保存も可能です。)
600gのガーデンハックルベリーから、500mlのジャムが出来上がりました。廃棄率が低いので、購入した重量から出来上がり分量の目処がつきやすいですね。
6.作ってみての感想など
ヨーグルトにかけてみましたが、見た目はブルーベリージャムのようです。ビギナーズラックで、ジャムのかたさ的にも丁度良い感じで仕上がりました。
しかし、口にしてみると私にはかなり甘い!ただただ甘いだけの茄子を食べているみたいなんです。使う砂糖は、ガーデンハックルベリーの4分の1量程度で良かったのだと思いました。
もともと我が家で使っているきび砂糖は上白糖やグラニュー糖に比べて甘味が軽いので、普段のジャム作りの時からレシピにあるグラニュー糖の数字よりも少し多めに入れて作ります。それに加え、売り場のレジ係の女性が「不味いのよ!」とキッパリ仰っていた言葉が印象的過ぎて、不味いものなら砂糖も最大値で入れてみようか…と思ったのが大きな間違いでした。(汗)
多めに入れたつもりのレモン汁も、この甘さにかき消されて酸味は全く感じない感じ。その後、ガーデンハックルベリージャムを食べる際には、数滴レモン汁を垂らして食べるか、初夏の頃に作って冷凍保存してあった、酸味の強い「あんずジャム」とハーフ&ハーフにして食べると、甘みと酸味のバランスがよく、美味しくいただけるようになりました。
覚え書きと、本当は声を大にして言いたい独り言
ガーデンハックルベリーが手に入り、これからジャムを作ろうという方へ。そして、次回作る際の改良点の覚え書きなど記しておこうと思います。また、農産物売り場の方々への要望なども。
改良点など
1.見た目フルーツのようでも実際は酸味の少ない野菜なので、ただ甘く煮たジャムでは思い描くような味を感じられません。少し酸味が強い方がフルーツっぽく美味しく食べられると思うので、レモン汁を入れる際には、もう少し思い切って投入した方が良いです。具体的な改善策として、次回作る際にはメイヤー(マイヤー)レモンを一緒に入れて煮てみようかと思います。
2.どんなに煮ても皮が柔らかくならない部分もあり、食べるていても口の中に残る場合があります。裏漉しまではしなくても、砂糖を入れて煮込む作業の前に、一度ミキサーにかけてから煮た方が、皮が口の中に当たらずにいただけるようになると思います。
農産物を販売する方々への要望
地産地消で新鮮なものが安く購入できる農産物の直売所。旅先でも地元でも、休日は朝早くから大盛況で客の絶えない場所であると思います。しかし、それなりの集客があることに満足し、直売所関係者の「質」が開店当初から何年経っても向上していないのでは?と思われるのは、旅先でも地元でも同じように感じることの一つであり、今、抱える大きな問題点ではないかと感じます。
レジ:「これ、生で食べられないよ。」
私 :「酸っぱいからですか?」
レジ:「不味いのよ。」
私の心の声:「不味いもの」なんて、客に売って欲しくないものだわ!
集客数が多くなればなるほど接客は手短に済むような流れ作業となり、この度のように、これまで全く出会ったことの無かった果物や野菜を購入するにあたっても、例えば接客係が自分の方から会話を切り出してきたような場合でも、最終的には消費者が納得できるような会話など成立しないということです。
丹精込めて作った地元の農作物なら、売って「はい、おしまい!」ではなく、消費者の手にわたって食卓に上るまでが仕事と思って欲しい。
- どうして生では食べられないのか
- どんな風だから不味いと言うのか
- どう調理すれば安心で美味しく食べられるのか
直売所のレジ係は料金の受け渡しをするだけの存在ではなく、生産者と消費者を繋ぐ最後の架け橋のような存在であって欲しいと思います。
各地に同じような施設が増えた昨今、新鮮な地場物を売るだけの直売所なんてもう時代遅れ。同じお金を払うなら、人情味溢れるおばあちゃんが、昔ながらの露天市場で売る野菜の方がずっと魅力を感じます。地元野菜の情報をしっかりと客に伝えられるような、さらなる「人間力」の向上を直売所に期待します。
おしまいに
生産者さんが極めて少ないため、なかなか出会う機会も少ないガーデンハックルベリー。必ずひと手間掛けないと食べられないこともあり、この度出会ったガーデンハックルベリーは600g入って500円と、ジャム食材としてみてもとても安価でした。
お馴染みのブルーベリー以上に抗酸化作用があるアントシアニンが豊富。その他にも眼精疲労、視力回復、動脈硬化、血流改善、高血圧、抗腫瘍改善、抗炎症、老化防止など、たくさんの効能が期待できるスーパーフードとの出会いでした。
皆様も出会った際には是非、一度チャレンジしてみてください。

















