【十日町・南魚沼】出遅れた紅葉2019探訪記
「次第にお天気は回復」という予報を信じ、この日は山間の紅葉風景を求め、十日町にあって初めての地へと向かってみました。ところが11月中旬前にしてすでに紅葉には遅く、おまけに台風19号の影響などで行けるはずの場所にも辿り着けず…。
さらに予定を変更して南魚沼まで足を延ばし、今シーズン最終盤の、今ある素敵な景色を楽しんできました。
【十日町市】田代の七ツ釜

田代の七ツ釜展望台より
国指定の名勝・天然記念物に指定されている「七ツ釜」について
清津川の支流のひとつである釜川は、苗場山から4kmほど北方に位置する日蔭山(標高1,860m)・小松原に源を発し、清津川に合流します。釜とは滝つぼのことで、釜川の名称そのものが滝の多い川であることを示しています。七つ釜は七つの滝と滝つぼ(釜)がおよそ1kmにわたって連続しており、上流から弁天滝・二の滝・不動滝・中の滝・巻の滝・観音滝・御手洗滝と呼ばれています。滝つぼ(釜)は深さ1.5mから6.3mのものまであり、最大の深さと面積を持つ不動滝の釜には竜神伝説が残されています。
左岸が切り立った縦層、右岸が断面層という学術的にも大変珍しい景観で、昭和12年(1937年)に国の名勝及び天然記念物に指定された景勝地です。
なお、平成7年(1995年)に発生した土砂災害によって滝全体が崩壊したため、のちに復旧工事が行われ、平成9年秋には全国初となる擬岩による砂防ダムが完成しています。これにより、現在も崩壊前の姿に近いかたちで滝を望むことが可能となっています。
七つ釜伝説について
昔から大蛇が住むと伝えられ、誰も近寄ろうとしなかった釜(滝つぼ)に、ある日一人の男がやって来て、魚を捕るのは一網だけという弁天様との約束を破り、無断で二網目を投げ入れたため、大蛇の怒りを買って命を落としたという伝説が残っています。
また、日照りの時に七つ釜に水をもらいに行くと、必ず雨が降ってくると語り伝えられており、今でも夏の日照りの時に水をもらいに来る人や、弁天様をお参りに来る人がいるそうです。
シーズン終わり、いろいろ規制のあった見学ヶ所
鈴木牧之の「北越雪譜」「秋山記行」にも記されている田代の七ツ釜。
標高420mの雪深い地。オンシーズンは6月~10月いっぱいと短く、すでに周辺地は冬の準備のために道路のガードが取り外されており、車一台がギリギリ通れるくらいの石橋は落っこちないか?とドキドキしながら渡るような状態でした。
七ツ釜の鑑賞ポイントは、弁天堂までの散策路と展望台の二か所とのことでしたが、予報外れて直前まで雨が残ったため、傾斜厳しく足元の悪い弁天堂への散策は諦め、さらに、滝つぼに一番近づける道が通行不可であるとのことでそちらも諦め、残された展望台へと向かってみました。

展望台から少し下りた場所に弁天滝があり、ここから徒歩で見学に行けるはずでしたが、こちらも先日の台風19号によって通路に崩落箇所があり、おまけにオフシーズンに入って人っ子一人いない状態。今年の県内は特にクマの目撃情報が多いので、そこへ行くことさえも諦めました(泣)

対岸の柱状節理が凄いよ!太古のロマンだね

展望台真正面からは縦層の柱状節理が見え、その足元にある弁天滝の落水音だけが轟々と響いていました。

すでに冬の足音が聞こえ始めた十日町市田代より
【南魚沼市】魚沼スカイライン
気を取り直してさらに向かったのは、以前にも数回訪れたことのある「魚沼スカイライン」でした。
魚沼スカイラインは、今回私たちが入った南側の国道353線十日町市十二峠口から、北側の国道253号の南魚沼市八箇峠口までを結び、南北に延びる魚沼丘陵を尾根沿いに縦貫する全長18.8kmの県道です。所々に駐車場完備の展望台やトイレが設けてあり、魚沼の豊かな景色を眺めながらドライブするにも散策するにも良い場所で、特に紅葉シーズンはドライブ客も多くなります。
※魚沼スカイラインは2019年11月18日より、すでに冬季閉鎖のため通行止めとなっています。
魚沼展望台

平場は午後になりお天気も回復したように思えたこの日でしたが、再び山の上に向かうと厚い雲が頭上を覆ってしまい、おまけに魚沼展望台は標高も920mあるので、気温も一桁で寒い、寒い!
ここは眺望を楽しむだけでなく、標高1,016mの当間山の入口ともなっているところ。お手軽にブナ林を散策できる拠点でもあります。

魚沼展望台からは、眼下に塩沢石打・湯沢方面の眺望が楽しめます。山肌が魚野川や国道17号に迫っている様子が見てとれます。

山頂を雲が覆って山のかたちがつかめませんが、位置的に見て万太郎山辺りでしょうか?二千mに達しようかという山々はすでに冠雪していました。

十日町方面を望む。魚野川の上流から下流に向かい、盆地が広がっていく様子がみえます。
護国観音(展望台)
地域の方々の手によって建立された大きな観音様がそびえておられ、戦没者の霊を祀ったところです。その観音様の裏手が展望台になっています。
記事トップのパノラマ写真はここから撮影した一枚で、四方を山に囲まれた盆地の様子がよくわかる場所です。
写真左側で魚沼盆地に向かって飛び出したようにあるのは樽山(標高736m)。実はここも、いつか行ってみたいビューポイントの一つです。
六日町展望台

この日最後に立ち寄ったのは、魚沼盆地の中央部を一望することができる六日町展望台。案内なども無く駐車スペースも僅か数台分しかない場所ですが、真正面に標高1,967mの巻機山をはじめ、上杉景勝の居城・坂戸城のあった坂戸山や、霊峰・八海山をはじめとする越後三山なども望めるポイントです。

そして足元には「ムイカスノーリゾート」など、六日町エリアのスキー場が間近に見えるのも雪国ならではの光景です。
おしまいに

少しずつお天気が回復する中で二か所巡ってみましたが、雪深い地の紅葉はどちらもすでに終わりの状態で、この日、県内一紅葉の見頃だったのは弥彦公園だったそうです。
確かに、紅葉だけを取り上げたら雨っぽっくて残念な景色ではありましたが、初めての場所、年に何度も訪れない場所をドライブするのは楽しく、その土地ならではの秋の味覚に出会えたので、休日小旅行としては星4つくらいの日でした。
次は、この日出会えたグルメ編へと続きます。
--- Sunday, November 10, 2019 / Dawn太 生後1,721日 ---