【手打そば処とみざわ】地粉100%の手打ちそばと、新そば時期限定提供のそばがきをいただきました

ずっと食べたいメニューがあったのに、それが提供されるのは秋から春の間だけ。気が付けば前回の訪問から彼是5年の月日が経って、ようやくの再訪となりました。
あまりにも時間が経ち過ぎていたため目的のメニューが無いばかりか、かなり整理されてしまった感のあったメニューたち。しかし、新そば時期ならではの特別メニューに出会え、この度も大満足で店を後にすることになります。
雪国観光圏A級グルメにも認定された老舗店「手打そば処 とみざわ」

津南町の国道117号沿いにあって見つけやすいのは、越後妻有地域の中でも人気の「手打ちそば処 とみざわ」さん。
生産地の情報公開を行い、安心・安全な食を追求する日本初のプロジェクトである「雪国観光圏A級グルメ」に、二つ星として認定されている老舗店です。

店内は、道路に面してテーブル席が3つと囲炉裏を囲むカウンター席。奥にはお座敷もあり、広くてゆったり出来るスペースになっています。
入店時刻がちょうど正午で、店内9割方の席が埋まっていました。

これまでお座敷席しか使ったことの無かった我が家。この度はじめて囲炉裏カウンター利用。しかも2組のお客さんとの相席でした。

メニュー激減!再びの夢は幻に終わった「そばぜんざい」
客入りも良くて相変わらず繁盛しているようでしたが、開いたメニューが5年前に比べて半減していることにビックリ。
以前は薬膳献立などのコース料理、山菜献立、そばの香、うどんメニューなども充実していたのですが、秋~春時期、ここに来ればまた食べられると思っていた「そばぜんざい」もメニューから外され、今は安定供給できるそばメニューのみに絞って提供しているようです。
御年15歳の頃より、おじい様を手伝ってそば打ちを覚えたというご店主。それから彼是60有余年。そんなこともメニュー数の減少に繋がっているのでしょうか?最近閉店を知ってショックだった、同じ津南町にあった名店そば屋さんがオーバーラップして仕方なかった私。
とみざわさんで提供されるそばぜんざいは汁無しでとても個性的。しかも、餡子もの苦手な私でも美味しくて。私がそば粉やうどん粉スイーツにハマったその最初が、今では幻となってしまった、とみざわさんのそばぜんざいだったと、今振り返って思います。
もう一度食べたかったな…。
沈んだ気分も上向きにしてしまう、新そば時期限定提供の地粉100%「そばがき」

メインのそばよりも先に提供された「そばがき」(780円)
実はこのそばがきも、以前は「そばぜんざい」同様に通常メニューでした。今は新そば時期のみの提供。しかもメニュー表には載っていないので、お店の人に尋ねてみて、運が良ければ提供される裏メニューのような存在になっています。

とみざわさんのそばがきは、頬張るごとにモッチモチ!しかも使われているのは新そば粉なので、鼻からそばの風味が抜けてゆく絶品!
そばがきに付いてくるツユは、そばの麺ツユとはまた違って少し味が濃い目で、それがそばがきにはよく合う。しかもかなりのボリュームなので、メインのそばが運ばれてくる前にお腹いっぱいになってしまう!という嬉しい悲鳴。
今では幻となったそばぜんざいは、このそばがきに、粒の大きな優しい甘さの餡子がかかっていたと思って間違いないです。風味豊かなそばがきを食べながら、次第に変なテンションになる私(笑)。
一日六十食限定の「手打ちそば」

手打ちそば・もり(980円)
コシの強い「手打ちそば」と、癖のない食感の「細切りそば」という対照的なメニューを二枚看板に持つとみざわさん。どちらも地元契約農家と自家栽培のそば粉のみを使用しています。
化学調味料を一切使わず、鰹節で丁寧にダシをとった、甘さ少なめなスッキリとしたそばツユにつけていただきます。

腰の入った大ベテランが打つ手打ちそばはいつも艶やか!強いコシと喉越しの良さを合わせ持つそばは、布海苔とオヤマボクチが繋ぎに使われています。
地粉100%を使用した手打ちそばは、こねる・打つ・切るの全てにおいて手作業に拘った自慢の品。 打てる数に限りがあるため、一日に提供されるのは60食程度。無くなり次第終了となるので、手打ちが食べたい人は是非早めのご来店を!
〆のそば湯

そば湯も風味豊かで、最後の一滴まで残さずいただいて。
おしまいに
前回訪ねた5年前も、ちょうど消費税率がUPになって間もなくの頃でした。食事後の会計の際、支払った金額が増税前と同じ5%のままであることに気づき、「とみざわさん、頑張っているな!」と嬉しく思った記憶が残っていた私。
これまでは卓上にあさつきが用意され、それを薬味にそばを啜るのが好きでした。今回はそれも無くなっていて、いろいろと大変なのかな?と思わずにはいられませんでした。高齢化する町。後継者のいない家族経営の在り方。時代の流れと共に、メインの話ではない部分でいろいろと考えさせられてしまいました。
けれど変わらずに美味しい手打ちそば。またいただきに伺います。ご馳走様でした。
--- Sunday, November 10, 2019 ---

手打ちそば処 とみざわ(1977年8月8日OPEN)
新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡丁7842-1 ※地図