【金屋蕎麦屋】十割そばと地元あゆの天ぷらをいただきました
小春日和だった勤労感謝の日。早い時間帯にDawn太を海に開放しに行くと、海は青いし佐渡がいつもよりずっと近くに見えるので、つい悪いクセで県北の海が見たくなり、期末考査前で勉強中の末っ娘を見捨て、そのまま一路北を目指して車を走らせました。

移動中に昼は過ぎ、お腹も空いてきましたが、自宅に置いてきた末っ娘に内緒で県北特産の鮭料理など食べられず(はらこ飯は一緒に食べに行く約束になっていたので)さてどうしよう?
Google先生に尋ねてみると「この近くにウマい蕎麦屋があるけど、どう⁉」と教えてくれたので、県北村上の地に来て初めて、日本そばを味わうこととなりました。Google先生、地元でも評判のお店を教えてくれたようでした!
村上市(旧荒川町)の金屋にある「金屋蕎麦屋」

金屋にあるお蕎麦屋さんだから「金屋蕎麦屋」。実にシンプルなネーミングで、それが返って印象的!人生も思考も、これくらいシンプルであったら最高でしょうね。

「御免ください」と入った店内真正面には、消費税率UP後の価格改定の案内が!けれど後になって知ると、金屋蕎麦屋さんは価格設定が良心的。これまで野菜天ぷらは300円でやってこられての値上げでした。
一緒にあった、左貼り紙の案内がまた嬉しい!秋のこの時期なので、新そばの十割そばが提供されます。(嬉しくてテンション上がり過ぎ、写真がブレてしまいましたね、私。)
駐車場は我が家が停めて満車になりましたが、店内は広めでまだ若干の余裕があり、入店してすぐ、廊下に近い席に案内されました。
田舎の親戚の家に遊びに来たような趣ある店内

農家さんらしい大きな民家そのままの店内は、囲炉裏のある板の間を中心に、奥には二間ぶち抜きの大座敷あり。さらにその他に、厨房脇に個室もある様子。総席数にして35~40席はあるように思いました。
我が家が案内されたのは、囲炉裏脇の卓袱台席。部屋全体に日が当たらない古民家造りは寒く感じるのか、外気温20℃でこの時期にしては暑いくらいの日でしたが、囲炉裏には火が入っていました。

客は年齢層も高めで皆さんお静か。聞き覚えのある懐かしい音が耳に心地よいので目線を上げると、ゼンマイ式の掛け時計が「カチコチ」と時を刻んでいました。

奥に見える引き戸も良い雰囲気で、この空間にいるだけで気持ちが落ち着くような、居心地の良い店内でした。
半世紀の時を経て、祖父譲りの味を復活させた金屋蕎麦屋の蕎麦
今から10年ほど前にのれんを掲げられた金屋蕎麦屋さん。その昔、ご店主のお祖父さまが農閑期に限って蕎麦打ちをされ、客に振舞われた時代があったそうで、50年という長きを経てその味を復活させた町の蕎麦屋さんであると聞きます。

そば茶とお品書き
店名同様にメニューもシンプル。裏面には天ぷら三種類と、日本酒、ビールが書かれているだけです。旦那も私も、ざる蕎麦と天ぷらをチョイスしてみました。料理は40分ほど待って提供されました。

ざる蕎麦・並(700円)
そば粉100%に拘った金屋蕎麦屋の蕎麦。新そばの香りと甘味、モッチリとした弾力もあり、ブツブツ切れたりはしません。見た目以上にしっかりと量もあるお蕎麦でした。
厨房内を拝見していると、蕎麦の茹で上げなど、ご店主と思われる年配男性が黙々と作業されていました。

そのままで食べても風味豊かで、思わず「むふっ!」と笑っちゃうくらいに好きなタイプの蕎麦でしたが、少し独特なそばツユにつけると、また蕎麦の味が引き立って美味しかったです。
地元の醤油を使ったかえしに合わせるのは、煮干に岩船産の焼きあご(トビウオ)、荒川産の焼き鮎からとったもので、一般的なカツオダシとはまた一味違った風味を持つもの。そのまま口に含むと醤油味際立つキリッと系かなと感じますが、追いかけてくるダシの香りも豊かで、お店の蕎麦にも合う味わいで良くまとまっていると思いました。
薬味はワサビ、ネギ、大根おろし。小口のネギもひと手間を惜しまず水にさらして辛味がないで、そばツユにたっぷりと投入して楽しめました。
地場物に拘った天ぷら

荒川あゆ天ぷら(600円)
蕎麦茹で作業と連携し、天ぷらなどは厨房内にいる女性たちのお仕事でした。
たっぷり盛られた野菜天たち。自家栽培のものや、近所の農家さんから仕入れた新鮮野菜が使われています。かき揚げ、ナス、舞茸、インゲン、シシトウ、サツマイモ。「野菜天ぷら(400円)」を頼んだ旦那の方にはカボチャも入っていたようです。

私のメインは、地元・荒川で捕れた鮎の天ぷら。
大きめなシシャモサイズの若鮎でしたが、このくらいのサイズだと頭からガブッと食べやすく、内臓のほろ苦さも余すことなく味わえて実にお手頃。しかも、しっかり三匹も入っているので、添付の抹茶塩でいただいたり、天つゆでも楽しんだり。地場物あゆも、笑っちゃうくらい美味しかったです。
濃いにはワケがある〆の蕎麦湯

良い頃合いで運ばれてきた蕎麦湯。その容器の注ぎ口を見ただけで、中身の濃さが一目瞭然でした。茹で釜からとった蕎麦湯でなく、蕎麦粉を味わうために作られた蕎麦湯のようです。

どうです、トロ~ッと濃いでしょ。
もちろんそのままでも美味しい蕎麦湯でしたが、やはり蕎麦ツユを少し垂らして飲むと、蕎麦の風味が引き立ってさらに美味しく感じました。〆の蕎麦湯まで蕎麦の風味たっぷりで、最後の一滴までしっかり飲み干しました。
おしまいに
これまで県北に来てまで蕎麦を食べようと思ったことが無く、村上にこんなにも丁寧で美味しい蕎麦専門店があることを知りませんでした。後になって調べてみると、お隣の山形から良い蕎麦が手に入ったことで、この地独自の蕎麦文化が根付いたらしいです。
他のお蕎麦屋さんで鮎の塩焼きをいただいたことはありますが、天ぷらにしたものは初めてでした。何気ない箸休めの一皿ですが、少し甘味を感じるキュウリの漬物がまた美味しく、村上の特産品である赤かぶ漬けまであって、ご当地色豊かな構成になっている料理たちに大満足でした。
急遽選んで飛び込んだお店でしたが、お蕎麦から天ぷら、漬物まで、全てが美味しい名店新発見になりました。ご馳走様でした。
--- Saturday, November 23, 2019 ---

金屋蕎麦屋(2009年4月OPEN)
新潟県村上市金屋2270-4 ※地図
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