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【長岡市トキと自然の学習館】トキの生態や自然環境について学びました

2020年01月17日
お出掛け
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学ぶ 自然
トキと自然の科学館案内図

長岡市トキと自然の科学館は、実際にトキを見ることができる観覧棟「トキみ~て」と、トキについて学べる「学習館」に分かれています。

【トキみ~て(長岡市寺泊)】間近に見るトキに癒されてきました

江戸時代の頃にその名が付いたという日本の伝統色「朱鷺色(ときいろ)」。トキの翼の風切羽や尾羽のオレンジがかったやさしい桃色が美しくて付いた名ですが、江戸時代の頃には朱鷺が全国のいたるとこ...

前記事では「トキみ~て」でトキの生態を観察したので、今回は「学習館」でトキについて学んでみようと思います。

長岡市トキと自然の学習館

廃校になった夏戸小学校校舎を利用したトキと自然の科学館

長岡市トキと自然の学習館は、平成17年(2005年)に廃校になった寺泊町立夏戸小学校の校舎をリノベーションした施設です。

平成23年(2011年)10月に長岡市でトキの分散飼育が始まったことを契機に、トキの生態や、地域の自然環境を学ぶ環境学習の場として、平成24年(2012年)3月に開館しました。

トキと自然の学習館正面入り口

正面玄関はこんな感じ。小学校の面影を残しつつ、バリアフリー化もされていて、誰でも楽しくトキについて学べる工夫がされていました。

学習館エントランス部

エントランス部ではトキの模型や千羽トキがお出迎え。
係員さんもにこやかな方で、「館内撮影しても大丈夫ですか?」と尋ねると、「はい!こちらは動画も、フラッシュ撮影もOKです。」と。

では、遠慮なく。

施設一階にあるトキと自然の学習館

施設の一階部分が「トキと自然の学習館」になっています。
本物のトキの羽や本物そっくりの卵に触れたり、標本などの展示コーナーで学ぶことができます。

繁殖期・若鳥期・幼鳥期の標本で知るトキ

トキのはく製展示

学名はNipponia nippon(ニッポニア・ニッポン)。ペリカン目トキ科トキ属に分類されるトキは、新潟の「県鳥」です。

勝手にコハクチョウくらいの大きな鳥(体長140㎝前後)を想像していましたが、実際に会ったトキの体長は75㎝程度。はばたくために翼を広げても、その幅は小学校中学年の子どもが腕をいっぱいに伸ばした程度。体重も1.5kg前後という、間近で見ても親近感をおぼえる大きさの鳥でした。

オスの方が若干大きい…といわれますが、トキは外見だけでオス・メスの判断ができず、血液検査で判別するそうです。

繁殖期のメスのはく製

普段、白っぽい羽で覆われているトキですが、実は首のあたりの皮膚は黒っぽく、繁殖期が近づくと(1月~6月頃)首の皮膚が厚くなり、粉状になって剥がれ落ちます。水浴びの後などにこすりつけるため、繁殖期に出会うトキは、頭から背中にかけて羽の色が墨汁を塗ったように黒くなっています。

逆にいうと、首周辺が黒っぽいトキは繁殖可能な時期であることを示します。それはオス・メス関係なく見られ、鳥類の中でもトキ特有の変化です。この部分が黒くなるのは、抱卵時の保護色とも考えられているそうです。

繁殖が終わって秋頃になると再び羽が抜け換わり、この時期に出会うトキが最も朱鷺色の美しさが際立つ時です。

オスのトキ若鳥のはく製

後頭部に広がった部分は「冠羽かんう」と呼ばれ、トキが感情表現した際に逆立って目立ちます。

▲まだ繁殖期前の1才の若鳥ですが、顔つきだけは成鳥と同じく赤色の顔をしています。

トキ幼鳥のはく製

孵化して間もないトキのヒナは、灰色っぽい羽色をしています。それが3週間ほど経つと、ヒナに白い羽が生えてきます。1才になると成鳥と同じように赤くなる顔も、飛べるようになって間もない生後50日の幼鳥では、見慣れぬ黄色っぽい顔をしています。

トキは土や泥の中の生き物を、長い口ばしで探って捕獲します。この時、顔に泥が付かないようにするため、顔の部分には羽が生えていないそうです。

トキの卵について

トキの卵と巣の模型展示

トキは1度の産卵で、1日おきに3~4個の卵を巣に生み落とします。トキの卵はニワトリの卵よりも大きく、重さは1個75g程度あります。卵は割れないように厚い殻で覆われ、灰色の地に褐色の斑紋のある複雑な模様になっています。この色合いは保護色であると考えられ、同じように木の上に巣を作るカラスの卵にも似ています。トキの卵は26~28日の抱卵期間を経て孵化します。

トキの羽について

トキの羽の展示

トキの初列風切羽と次列風切羽をそれぞれ左右5枚ずつと、尾羽5枚が展示されていました。

鳥がたちが飛ぶために発達したのが風切羽です。私たち人間の手首から先にあたる部分が初列風切羽で、トキには10枚あります。人間の上腕にあたるのが次列風切羽で15枚。さらにその内側に3列風切羽が重なって3枚。これらを雨覆羽が保護しています。飛んでいる時に方向を変えたり、バランスをとるのに重要なのが尾羽で、トキには12枚あります。

ドジョウ・ザリガニ・両生類・小魚・イナゴ・ヤゴ・タニシなど、トキは水辺に生息する生物を食べる肉食の鳥です。時に甲殻類を食べることで、トキの体内にカロチノイド色素が取り込まれ、あの美しい朱鷺色の羽になるといいます。

トキの天敵は人間だった⁉

その美しい羽を求め、明治期に庶民も狩りが許されるようになると乱獲され、羽は装飾品となり、肉は人間の食糧となったトキ。昭和の時代になって農作物に農薬が使用されるようになると、その数はさらに激減し、昭和35年(1960年)に「国際保護鳥」に指定された時にはすでに、国内のトキは20羽前後にまで減少していました。

トキの天敵となるテンのはく製

さらに、トキの天敵といって思い浮かべるのが、猛禽類やカラス、テンといった野生動物ではないでしょうか。
実は、長年トキに携わり、国産最後のトキ「キン」も暮らしていた佐渡には、その昔、テンという野生動物は生息していなかったそうです。

これも私たち人間の仕業。自然形態のままで増え過ぎてしまったウサギを狩るため、佐渡にテンを持ち込んだ結果が、ウサギのみならずトキの天敵ともなってしまったというお粗末な話なのです。

似ているけれど違う「トキ」と「サギ」について

トキとよく似た鳥といって思い浮かべるのが、同じように湿地帯に住み、同じような餌をとって生活しているサギ類ではないでしょうか。では、なぜトキだけ農薬に負け、数が減少していったのか?
その決定的な違いは「足の長さである」と、館内にいらした職員の方が話してくださいました。

トキの骨格模型
サギのはく製と骨格模型

トキは湾曲した細長い口ばしを水田や湿地に入れ、口ばしで探るようにして餌をとる「さぐり型」の捕獲方法です。
一方の真っすぐで短い口ばしを持つサギは、餌となる生物を目で見つけ、狙いをつけてから水中で捕獲する「ついばみ型」。長い足を活かし、トキが餌場としない河川や海岸でも餌をとることができます。

トキは農薬が高濃度なまま残留する水田や湿地が餌場だったので、農薬の被害を受けてしまい絶滅の危機まで数が減少。足の長いサギは水流もある河川など、多様な水辺が餌場となったので、農薬の被害も受けずにそのまま生存できた。そんな風に説明されていました。

誤って深い水辺に行ってしまい、これまで数例のトキの水死事例もあったそうです。

トキいっぱいの休憩ルーム

一階休憩スペース

一階フロアは展示室のほか、もう半分は広い休憩スペースになっています。

キッズコーナーも完備

一角には、キッズコーナーも設けてありました。

トキの写真展示もたくさんある休憩スペース

開放的な休憩室には、放鳥されている佐渡のトキの写真展示も豊富でした。

おしまいに

トキという鳥を知っていたつもりで、本当は今まであまり良くは知っていなかったのだと、今回改めて勉強してみて感じました。

職員さんは知識豊富で、時間の許す限りトキについての説明をしてくださいます。その熱意や素晴らしい!

「トキと自然の学習館」でトキの生態を学び、「トキみ~て」で本物のトキを見て感動したあと、トキの写真展示いっぱいの休憩室でゆっくりとお茶を飲みながら、もう一度、自分の身のまわりの自然環境について考える場になってくれたらと思いました。

次回は施設二階の「寺泊民俗資料館」にお邪魔します。またまたつづく。

--- Sunday, January 12, 2020 ---

長岡市トキと自然の学習館
新潟県長岡市寺泊夏戸2829 ※地図

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そふぃあ
Posted by そふぃあ
最後までお読みいただきありがとうございます。
※撮影した写真の著作権は放棄しておりません
画像のお持ち帰りは固くお断りしております※

コメント(4)

There are no comments yet.

さえき奎  

2020/01/17 (Fri) 14:36

勉強になりました。ありがとうございます。

>佐渡にテンを持ち込んだ結果が、ウサギのみならずトキの天敵ともなってしまったというお粗末な話

似た話に沖縄県で、ハブ退治のためにマングース(コブラの天敵)を
放したところ、ハブではなくニワトリなどを襲うようになったなんて
ことを聞いたことがあります。そりゃそうですよ。マングースだって
楽に食料が獲れるなら、わざわざ危険を冒したりせずにそっちを選び
ますよね(笑)。

NOB  

2020/01/17 (Fri) 21:48

こんばんは。

訪問だけで失礼します。(;^_^A

そふぃあ  

2020/01/17 (Fri) 21:58
そふぃあ

To さえき奎さん

こんばんは。
いつもありがとうございます。

時として人間は罪深い…。
ハブとマングースとニワトリの話、トキと同じ関係ですね。
人が関与していなかったら、絶滅まで追い込まれていなかったのか?
やはり繊細な鳥なので、数は減少してしまっていたのか?
江戸の時代、どんなにたくさんのトキが空を舞っていたのか?
いろいろ妄想してしまいます。

再び数が増えて、自由に空を飛ぶ姿を見てみたいものです。

そふぃあ  

2020/01/17 (Fri) 21:59
そふぃあ

To NOBさん

こんばんは。
いつもありがとうございます。

足跡残してくださって嬉しいです。
良い週末を!