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【新潟市美術館】草間彌生蔵出しコレクション展に行ってきました

2020年02月18日
お出掛け
8
ミュージアム Dawn太4歳11ヶ月
新潟市美術館前にある展示案内とDawn太

新潟市美術館が所蔵している草間彌生さん作品の企画展が行われているというので、新潟市内にも雪が舞っていた日に見に行ってきました。

企画展開始の翌日にお邪魔しましたが、館内とても穏やかな雰囲気で、今まで知らなかった新たな草間さんの魅力を発見しつつ、心ゆくまで作品の数々を堪能してきました。

蔵出しコレクション 草間彌生+アメリカに渡ったアーティストたち

美術館フロントに貼り出されていた案内

昭和4年(1929年)長野県松本市生まれの世界的アーティスト・草間彌生氏、現在90歳。
アメリカのタイム誌において「世界で最も影響力のある100人」に選ばれるなど、日本のみならず大きな影響力を持つ草間さんの作品は、新潟市美術館においてもこれまで数回にわたり展示が行われてきました。2020年2月8日より始まった今回の企画展では、新潟市美術館が所蔵する草間作品「全85点」が一挙公開されるという特別展。

併せて、草間さんがアメリカのNY滞在中(1958-73年)に親交を深めたジョゼフ・コーネル氏。草間さんと同じように渡米し活躍した靉嘔あいおう氏、荒川修作あらかわしゅうさく氏、篠原有司男しのはらうしお氏などといった芸術家たちの同館所蔵作品も公開されました。

カラフルポップではない草間作品に出会える

草間さんの作品といったら、網目模様や水玉模様、かぼちゃをモチーフにした絵画などが有名ですが、ご自身が65歳を過ぎた頃から世界中で野外彫刻を手掛けられるようになり、美術館に行かずして街中でもその作品に触れることが可能な作家さんでもあります。

花咲ける妻有

草間彌生【花咲ける妻有】2003年作品

生後8ヵ月のDawn太と一緒に写るのは、十日町市に設置された草間さんの「越後妻有 大地の芸術祭」参加作品です。

新潟県内にあって私が実際目にしたことのある草間作品が唯一これだけだったので、「花咲ける妻有」のような作品のイメージがとても強かったのですが、企画展の中では版画作品が圧倒的に多く、草間さんの新たな魅力を発見することとなります。特に、初期のパステル画「線香花火」(1952年)や、帰国後間もなくの作品「秋に横たわる私」(1975年)などが衝撃的で印象深かったので必見です。

会場に向かう通路に置かれた自画像ポスター

草間彌生【自画像】1995年|新潟市美術館蔵

「水玉の女王」と称される草間さんの自画像にもびっしりと水玉模様が施され、その背景には網目模様が描かれています。

幼い頃から描くことを好んだという草間さん。小学5年生の時に描いた母親の絵はすでに肖像画と同じように水玉で覆われた姿で描かれていて、母親との確執や太平洋戦争による抑圧などにより、幼い頃から統合失調症や脅迫性障害を患っていたそうです。ご自身が体験した幻覚や幻聴を描くことで、その苦しみから逃れようと描くことに没頭したといわれています。

受付に掲げられた記念写真

草間彌生【記念撮影】1995年|新潟市美術館蔵

所蔵している美術館の蔵出し展示ということで、館内の作品は撮影が許可されていました。

新潟市美術館が所蔵する草間作品全点公開

この度の企画展では、コラージュ1点、パステル1点、立体作品は大型2点を含む9点、版画作品はエッチング59点・リトグラフ15点の計74点。合計して85点という、新潟市美術館が所蔵する草間全作品が公開されました。

新潟市美術館の草間作品の収集は、南魚沼市出身の版画刷り師・木村希八きむらきはち(1934-2014)氏による版画作品36点の寄贈からはじまっています。木村氏は多くの画家の版画制作に携わった刷り師で、草間作品に関しては1984年と1985年、1992~1995年に手掛けていらっしゃいます。刷りの記録として手元に保管してあった作品を後世に伝えるべく、1988年以降、全国各地の美術館に木村希八コレクションを寄贈するようになります。

新潟市美術館においては、草間さんが鉄筆で刻み付け、木村氏と共に取り組んだ「エッチング」と呼ばれる腐食銅版画の寄贈数が圧倒的に多く、2015年には木村氏が愛蔵していたオブジェ7点もご遺族から寄贈され、現在ある草間コレクションの核となっています。

草間彌生の流星

草間彌生【流星】1992年|新潟市美術館蔵

作品は同館が所有する「銀の靴」(2005年)を起点とし、草間さんの制作時期を遡るように展示されていました。

しかし、展示室に入って否応なしに目に飛び込んでくるのは、幅8.4m、高さ3.2mもある大作「流星」。
作品は布の中に綿をつめて突起物を組み合わせるソフトスカルプチュアというシリーズのひとつで、この類の作例としては最大規模のもの。草間さんが日本代表として参加し、国内外の評価を確立した1993年開催の国際美術展ヴェネツィア・ビエンナーレ出品の作品でもあります。

草間彌生かぼちゃエッジング
草間彌生サイン
草間彌生カボチャ
草間彌生カラフルなカボチャ

お馴染み「カボチャ」がモチーフの作品の数々。

草間さんのご実家は大きな種苗業を営む旧家で、子どもの頃に実家で出会って以来、祖父の畑にあったカボチャはお守りのような存在であり、そのどっしりとした造形に魅せられて、カボチャをモチーフにした作品も多く見られます。

自己消滅

草間彌生【自己消滅】1982年|新潟市美術館蔵

突如視界が水玉模様に覆い尽くされてしまうという幻覚。いつか水玉に覆われ、自分も消滅してしまうのではと思うくらいに恐怖でしかなかった水玉を、とことん描き尽くすことで克服し、「全ては水玉で出来ている」と仰った草間さん。
白いボックスの中には、ハイヒールも猫も植物も身の回り品も、全てに真っ赤なドットが描かれ、まるでほとばしった血であるかのようにも見えました。

Yellow Dots 草間彌生

草間彌生【Yellow Dots】1986年|新潟市美術館蔵

週刊女性の第一巻第20号(1957年12月1日)に掲載された草間さんの記事(左下写真)

1957年に28歳という若さでアメリカに招かれ、パステルや水彩画など80点を出品し、シアトルのドゥザンヌ画廊にてアメリカ初個展を開催した際の記事です。「シアトルのほかアメリカ各地で個展を開く予定で、できればアメリカに永住して勉強したいそうだ。」と、記事は結ばれています。
翌年の1958年6月、草間さんは活動の拠点をニューヨークに移します。1959年にはニューヨークで初個展「オブセッショナル・モノクローム」を開き、大型絵画5点を発表し、うち1点を画家のドナルド・ジャッド(1928-1994)氏が購入。その後交流がはじまります。

草間さんは1962年頃から、家具などに布製突起物を貼り付けた「ソフトスカルプチュア」の制作を開始しています。また、画商の紹介でアメリカの美術家であるジョゼフ・コーネル(1903-1972)氏と知り合ったのもこの頃のことでした。1930年代からコラージュによる箱作品を発表して評価を受けていたコーネル氏でしたが、自作を手放したがらないコーネル氏の心を解きほぐしたのが草間さんだったそうで、ここから年の離れた二人の親しい付き合いが始まります。

しかし、そんな充実した幸せな生活も永遠には続かず…。10年来の良き理解者でありパートナーであったコーネル氏が1972年に心不全のため急逝。草間さんはそのショックによって心身のバランスを崩し、コーネル氏の死の翌年(1973年)に、16年という滞米生活を終えて帰国します。1975年から東京を拠点に活動を再開しますが、その際、中心的手法となったのが、コーネル氏が多用したコラージュであったそうです。

同展では、東京で活動を再開した1975年の水彩・パステル・コラージュ作品「秋に横たわる私」がみられます。水玉の女王の水玉でない絵を、是非ご覧になってみてください。

週刊女性第一巻第20号に掲載の草間彌生記事
草間彌生プロデュース携帯電話シリーズ

草間彌生プロデュース携帯電話シリーズ(右上写真)

auがデザインを重視して取り組んできたブランド「iida」。その第3弾の携帯電話として2009年夏に発売されたのが「iida Art Editions YAYOI KUSAMA」シリーズです。数量限定品として販売された3機種が展示されていました。

  • 宇宙へ行くときのハンドバッグ(限定1000台)
    1985年の版画「Hand Bag」が携帯電話として立体化されています。
  • 私の犬のリンリン(限定100台)
    2004年のインスタレーション作品「Hi,Kinnichiwa(Hello!)」をもとにしたデザイン。リンリンの背中の蓋を開けると携帯電話を収めることができ、同時に充電も可能な優れものです。
  • ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい(限定100台)
    1965年作品「無限の鏡の間―ファルスの野」の世界を再現。のぞき窓から中を見ると、一面水玉に覆われた世界へと誘われます。

ショップも水玉模様のグッズが勢揃い

売店も水玉模様いっぱい

おしまいに

カラフルでポップな、いつもの草間作品ではない展示の多い企画展です。モノトーンで描かれた草間ワールドの魅力や、秘められた内面の世界を是非この機会に。

--- Saturday, February 8, 2020 / Dawn太 生後1,811日 ---

受付上にある草間彌生展の案内掲示板

蔵出しコレクション 草間彌生+アメリカに渡ったアーティストたち

  • 2020年2月8日(土)~同年4月12日(日)
  • 新潟市美術館 企画展示室 ※地図
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そふぃあ
Posted by そふぃあ
最後までお読みいただきありがとうございます。
※撮影した写真の著作権は放棄しておりません
画像のお持ち帰りは固くお断りしております※

コメント(8)

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さえき奎  

2020/02/18 (Tue) 17:53

草間彌生さんと言えば、水玉模様の顔とかカボチャをモチーフにした
作品しか知りませんでしたが、「流星」はすごい作品ですね。
大きさもさることながら、これは後ろから光を通過させて逆光で
鑑賞する作品のような気もして来ました。
おそらくそういう意図はないんだと思いますが。

よつば  

2020/02/19 (Wed) 10:38

そふぃあさん おはようございます

Dawn太ちゃんの成長も良く解る2枚の写真、良いね~♪
ワンちゃんって一緒にお出かけするのも楽しいからイイネ♡

草間彌生さんの魅力って私には良く解らないけど...
世界に通用する芸術作品を生み出せるって凄いですよね☆

さいさん  

2020/02/20 (Thu) 06:55

美術展は目の保養になりますね☺️
グッズは何か買ったんですか?

そふぃあ  

2020/02/20 (Thu) 07:35
そふぃあ

To さえき奎さん

こんにちは。いつもありがとうございます。

> 草間彌生さんと言えば、水玉模様の顔とかカボチャをモチーフにした
私もそうでした。でも、そうでない作品も凄かったです。
大作は見応えありまし、ずっと見ていられるんです。
順光でも逆光からでも、どちらからも素敵な作品でした。

そふぃあ  

2020/02/20 (Thu) 07:38
そふぃあ

To よつばさん

こんにちは。いつもありがとうございます。

Dawn太のパピー写真、私にとってはついこの前のような気がするのに、犬にとっては随分長い時間の経過。
だけどすでに、この頃から今の面影いっぱいです。

草間さんは独自の世界観を貫いていると思います。
それが世界に評価されていると思うし、素晴らしい魅力あふれる芸術家さんであると思います。

そふぃあ  

2020/02/20 (Thu) 07:40
そふぃあ

To さいさん

こんにちは。いつもありがとうございます。

冬場は遊ぶ場所が限られてしまうので、美術館巡りは楽しいです。
グッズを購入しなかったこと、今になって後悔しています。
ショップは自由に入れる場所なので、またいつか!

ススム  

2020/02/22 (Sat) 09:25

おはようございます

草間彌生さんといえばビビッドな色を使うイメージがありますが、こういう感じの作品もあるんですね。

カボチャをモチーフにした作品が多いのは、草間さん自身のルーツからだったと知り、興味深く読ませていただきました。

少し前に中国で贋作を集めて「草間彌生展」と称した催しが行われていたのを報道で見た覚えがあります。

貴重なレポートを読みながら、擬似体験させていただきました。

そふぃあ  

2020/02/25 (Tue) 07:46
そふぃあ

To ススムさん

こんにちは。いつもありがとうございます。

私も一般的に表に出ている作品しか知らなかったので、初期の作品は衝撃的でした。
過酷なおいたちだったこともあり、絵の中にある根本を知ると、また違った目線で作品を観るようになりそうです。

中国の贋作展もネット写真で見ました。
草間さんのドットはただのドットでなく、魂がこもったものなので、贋作には何の感動も感じませんでした(笑)
やはり、本物に勝るものはありません。